回路グラフの最長路長および最短路長の分布を求めるために,位相幾何学的探索を用いる手法。各点でばらつきの和とMAX演算を逐次行い,最大遅延値を求める。次のような利点がある。
- 基本的に2項演算の繰り返しなのでアルゴリズムがシンプルで,パス・ベースト・アルゴリズム(Path-based)と比較して高速化が可能。
- PERT(program evaluation and review technique)の手法が流用できる。
一方,欠点もある。
- 再収斂(しゅうれん)パスの相関の扱いを特別に考慮する必要がある。
- 偽パスの扱いを特別に考慮する必要がある。
- MAX,MIN計算の誤差が不可避。
例えば上図回路グラフの節点v3の遅延D(v3)は枝遅延D(e1),D(e2),節点の遅延d(v1),d(v2) から次のように計算する。
上記式で逐次計算を繰り返すと,出力節点vnでの遅延値D(vn)が計算できる。遅延制約を次のように与える。
このときこの回路のパラメトリック・イールド(Parametric Yield)は次のように計算される。