delay model

 SSTAの遅延計算を行うために,ばらつき変量を用いて回路グラフの枝遅延(セル遅延,配線遅延)を表現したモデル。一般にばらつき変量x1,…,xnに対して次のように関数で表される。

 セル遅延の場合、変量x1,…,xnとしてゲート長,Vth0などが用いられる。  特に,f (x)を1次関数とした場合,nominal (typical)遅延値Dnom,および感度係数αiを用いて

のように表され,これを線形モデル,あるいは遅延感度モデルという。線形モデルではばらつき変量の分布が正規分布のとき,遅延値Dの分布も正規分布になり,統計演算(SUM,MAX)が容易になるという大きな利点がある。

 線形モデルのほかにf (x)として多項式を用いたモデルも提案されているが、現状EDAベンダーが採用しているのは線形モデルである。従来の.libなどの遅延ライブラリを拡張して感度係数テーブルを記述するものが多い。