time to digital converter

 計測対象となる信号の時間というアナログ情報を量子化してデジタル出力するコンバータのこと。基準信号からイベント発生までの時間や,二つのパルス間の時間などを測定できる。PLL周波数シンセサイザやA-D変換器などへ応用できる。

 TDCの特徴は,時間分解能が極めて高いことである。例えば180nmプロセスの場合では10ps,90nmでは数ps以下の分解能で二つの信号の時間差をデジタル・データで表現できる。さらにTDCは,回路の大部分をインバータ回路やフリップ・フロップといったデジタル制御回路で構成するため,微細なCMOS技術を適用しやすい

 TDCの応用例としては,米Texas Instruments Inc.がPLにおける位相のズレを検出する回路にTDCを適用した「ADPLL」がある。

表1 TDCの優位性
(日経エレクトロニクス2006年11月6日号より抜粋)
表1 TDCの優位性