ハイブリッド車などで使う次世代のLiイオン2次電池の正極材として期待されている材料。LiFePO4は,携帯電話機用のLiイオン2次電池などで使われている既存の正極材料であるLiCoO2に比べて,1)材料コストが半分以下,2)400℃の高温下でも酸素を放出せず安全性が高い,3)結晶構造が強固で長寿命,という特徴がある。このためハイブリッド車や発電所の電力貯蔵など中~大型のLiイオン2次電池の正極材として,研究開発が続けられている。

 ただしLiFePO4には導電率が低いといった課題がある。そこで導電率を高めた材料の開発が進んでいる。例えば三井造船はLiFePO4粒子の表面に粒子の表面に炭素を析出させるなどして導電率を高めたLiFePO4系の正極材を開発した。