lip synchronization

 映像と音声の再生のタイミングを合わせること。特に「唇の動き」と「セリフなどの音声が聞こえる」タイミングがずれたときに,視聴者に与える違和感が大きいことから,映像と音声の同期を,リップシンクと表現することが多い。

 たとえば音声と映像を別に符号化しパケット多重して送信するMPEGのストリームでは,再生のタイミングを合わせるために,タイム・スタンプの情報が埋め込まれている。この情報を見て復号化回路が映像と音声の出力のタイミングを合わせる。

 最近では,画素表示の薄型テレビの普及に合わせて,映像の再生までにかかる時間が伸びている。受信した映像信号を復号化したあと,走査線数の変換,IP変換,その他の高画質化処理など処理量がどんどん増えているためである。そこで,映像の再生までにかかる遅延時間に合わせて音声信号を遅延させるために,いったん音声信号をメモリに蓄積して出力する専用ICも登場しており,リップシンク用ICと呼ばれている。