Cyberspace

 米国のSF作家William Gibsonの造語。21世紀後半を舞台にした出世作NEURO-MANCER(1984年)で使った。厳密には同書が最初ではなく,Burning Chrome(1982年)でも使用している。これらの小説では,主人公が額に特殊な電極をはり付けてコンピュータと脳を接続詞,世界中に張り巡らされたコンピュータ・ネットワークのデータを視覚的に再構成した仮想的な3次元空間を脳に直接投影させる光景が描かれている。この仮想空間をサイバースペースと名付けた。

 最近は「ネットワークを使って仮想的な3次元空間を共有するシステム」を指す言葉として使われるようになってきた。ただし,サイバースペースの定義はあいまい。3次元空間に限らず,たんに電子的なコミュニケーションの場を指して使われることもある。こうした仮想空間の別称としてVE(virtual environment),VS(virtual space)といった言葉もある。なお,英語で「人工頭脳化」という意味のCyberは,「船の舵手」を意味するギリシャ語のKyberを語源とする。