FRPの一種である。強度に優れ,鉄やアルミなどの金属に比べ,同じ強度・剛性であっても,より軽量化できるという特徴を持つことから,ゴルフクラブのシャフトや釣竿などのスポーツ用途から始まって,航空宇宙用途に拡大してきた。今後は,量産性を改善してコストダウンを進めることにより,自動車や家電製品分野の用途開拓が進んでいる。"> FRPの一種である。強度に優れ,鉄やアルミなどの金属に比べ,同じ強度・剛性であっても,より軽量化できるという特徴を持つことから,ゴルフクラブのシャフトや釣竿などのスポーツ用途から始まって,航空宇宙用途に拡大してきた。今後は,量産性を改善してコストダウンを進めることにより,自動車や家電製品分野の用途開拓が進んでいる。">
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旬な材料

CFRP(carbon fiber reinforced plastics)

シーエフアールピー

  • 2006/06/22 18:02
  • 1/1ページ
用語解説

 炭素繊維にプラスチック材料を含浸した後,硬化させて成形した複合材料のこと。FRPの一種である。強度に優れ,鉄やアルミなどの金属に比べ,同じ強度・剛性であっても,より軽量化できるという特徴を持つことから,ゴルフクラブのシャフトや釣竿などのスポーツ用途から始まって,航空宇宙用途に拡大してきた。今後は,量産性を改善してコストダウンを進めることにより,自動車や家電製品分野の用途開拓が進んでいる。

 炭素繊維には,原料別の分類としてPAN(ポリアクリロニトリル)系とピッチ系の二つに大別される。このうちPAN系はポリアクリロニトリル繊維を焼成したもの,ピッチ系は石炭・石油化学の残渣として出るピッチを溶融紡糸後に焼成して得る。CFRP向けに使われるのはPAN系が主流となっている。プラスチックとしては,熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂が主流だが,ポリイミド系やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)系も使われる。

プリプレグ法など多様な成形法

 CFRPの一般的な製法としては,炭素繊維を一方向に引き揃えたテープや織物にプラスチックを含浸させて作った中間素材(プリプレグ)を何枚も積層して,加圧容器であるオートクレーブに入れ,高温下で加圧・硬化して製造する(プリプレグ法)。他に,フィラメントワインディング法(連続した炭素繊維に樹脂を染み込ませたものを芯金に巻きつけ,筒状に成形する手法)やレジントランスファー成形法(RTM:型内に炭素繊維の織物をセットした後,母材となる樹脂を含浸した後,硬化させる手法)などの成形法もある。

供給・開発状況

2006/06/22

東レ,CFRPの量産技術を開発へ

 PAN系炭素繊維の世界シェアトップの東レは,炭素繊維を使ったCFRPを自動車や家電製品に使うための要素技術の開発を活発に進めている。

 東レは2006年6月16日には,CFRPを使って複雑な形状の製品を大量生産する技術を開発したと発表した(Tech-On!の関連記事1)。これまでCFRPを使う際は,大型部品であっても一体のものとして設計/成形/生産していたため,複雑な形状の成形品を大量に製造するのが難しかった。それに対して新技術では,成形品を形状や機能ごとに部品単位で分割して設計する。これにより,自動車部品やロボットの部材,ノートパソコンの筐体など,CFRPの用途を拡大できるほか,製造コストの低減も図れるという。

 また東レは,2005年4月22日には,CFRPを大量生産可能な高速成形技術の確立に世界で初めて成功した,と発表した。成形時間を10分以下(従来の約1/15)と大幅に短縮でき,自動車向けCFRPの量産化に大きく前進したとする。CFRPは安全性と軽量性の両立を求められている次世代自動車材料の本命として注目されているが,量産技術の確立と低コスト化が課題だった。この両方の課題解決には成形時間の短縮が有効であり,今後CFRPの自動車車体への本格実用化が加速すると同社は見ている。

三菱重工業,航空機向けCFRPで積極姿勢

 三菱重工業は2006年6月2日,米Boeing社の次期主力旅客機である「787」向け複合材主翼の部品成形などを行う複合材工場を,名古屋航空宇宙システム製作所(名古屋市)に完成したと発表した(Tech-On!の関連記事2)。本格稼働は,同年7月からである。同年9月に完成する組み立て工場と併せて,部品成形から主翼の組み立てまでの生産ラインを構築する。


【図1】工場内に設置したオートクレーブ(三菱重工業)(クリックで拡大表示)

 完成した新工場の規模は,全長約210×幅約170×高さ約35m。複合材テープを積載する複合材レイアップ装置や,積層後の複合材を高温高圧で焼き固めるオートクレーブ(図1),硬化した複合材スキンなどを加工するスキン用オートジェット切断装置などを導入する。

 同社はこうした実ビジネス面での投資を活発化させると共に,量産性を上げるための基礎的な研究も進めている。その一つが,加熱オーブンを使わずに短時間で硬化できる新しいCFRP材料と新製造方法の開発である。従来法に比べて約40%のコストダウンが可能になると見ており,2015年ごろに小型民間旅客機への採用を目指している。


【図2】連鎖硬化ポリマーを使った新しいRTM法の模式図。紫外線(UV)照射装置を使って照射窓から織物の一端に照射するだけで硬化反応が連鎖的に進む (クリックで拡大表示)

 まずCFRPの母材として,「連鎖硬化ポリマー:CCP(Chain Curing Polymer)」と呼ばれる新素材を開発した。これは,紫外線で表面の一部を硬化させることによって,そこで発生した熱を利用して熱硬化反応を連鎖して起こさせる材料である。この樹脂をRTM(レジン・トランスファー・モールディング)法に適用した。従来のRTM法では加熱硬化法を採用しているために,型全体を大きな加熱オーブンの中に入れて,加熱硬化させていたが,開発した連鎖硬化ポリマーを使えば,オーブンが必要なく,織物に樹脂を含浸した後,その一端に紫外線を照射するだけで反応が進む(図2)。

ニュース・関連リンク

東レ,CFRPの用途拡大を目指し,新たな量産技術を開発

(Tech-On!,2006年6月16日)

三菱重工業,B787向け主翼の複合材工場が完成

(Tech-On!,2006年6月5日)

特集・樹脂活用術 東レ,CFRPの成形時間短縮で量産車にも

(日経ものづくり2006年2月号)

三菱重工,コスト40%ダウンできる次世代の航空機向けCFRPを開発

(Tech-On!,2005年11月2日)

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