液晶パネルなどの駆動方式を,ホールド型ではなく,CRTのようなインパルス型に近づけたもの。網膜残像効果を解消して動画の表示性能を向上するために,液晶テレビで採用が始まった。

 液晶テレビでは1フレームを表示する期間内にパネルが発光しない時間帯を設ける(図1)。具体的には,例えば1フレームの期間中に前面黒画像を挿入する。全黒画面を挿入すると,その間の光が遮断されて,光の利用効率が下がる。そこで,液晶画面を構成する各画素の開口率を高める形で,2002年12月に日立製作所が液晶テレビを製品化した。

 この発展形として,二つの手法がある。一つは,画面表示と全黒画面表示を1フレーム期間内に1回ではなく複数回繰り返すこと,もう一つはバックライトを消灯することである。例えば松下電器産業は,フレーム速度を従来比1.5倍の90フレーム/秒に高めた上に,フレーム切り替え時にバックライトの一部を消灯することでホールド時間を半分程度の約7.8msに短縮した液晶テレビを2005年春に発表した(図2)。

図1 ホールド型から疑似インパルス型へ移行する液晶パネルの駆動方式
図1 ホールド型から疑似インパルス型へ移行する液晶パネルの駆動方式日経エレクトロニクス2002年11月18日号より抜粋)

図2 松下電器産業が2005年春に発表した液晶テレビではバックライトを点滅
図1 松下電器産業が2005年春に発表した液晶テレビではバックライトを点滅日経エレクトロニクス2005年4月25日号より抜粋)