extreme data rate

 米Rambus社が開発した高速メモリ・インタフェース技術。メモリLSIとコントローラLSIを結ぶ。入出力ピン当たりの最大データ転送速度が2.4Gビット/秒,3.2Gビット/秒,4.0Gビット/秒と極めて速い。

 XDRインタフェースは同社が新たに開発した3つの技術で構成されている。250mVと小さい振幅でデータを差動伝送する技術(DRSL:Differential Rambus Signaling Levels),クロック・エッジごとにデータを8ビットずつ伝送する技術(ODR:octal data rate),メモリLSIとコントローラ間の遅延時間を2.5psときわめて短い単位で制御する技術(FlexPhase)である。

 データの伝送方式はポイント・ツー・ポイントである。メモリ・モジュールを使うパソコンの主記憶には向かない。デジタル家電や3次元グラフィックス用途などのメモリをねらう。Rambus社は技術ライセンス企業であり,半導体製品の製造はしない。半導体メーカーがXDR インタフェース技術をRambus社からライセンス購入し,自社製品に組み込む。

 XDRインタフェースを搭載した高速DRAM(XDR DRAM)を現在,東芝,エルピーダメモリ,韓国Samsung Electronics社の3社がサンプル出荷中である。主力品種は32M×16ビット品となっており,DRAM全体の最大データ転送速度は4.8Gビット/秒,6.4Gビット/秒,8.0Gバイト/秒に達する(入出力ピン当たりの最大データ転送速度が2.4Gビット/秒,3.2Gビット/秒,4.0Gビット/秒の品種にそれぞれ対応する)。パソコンの主記憶に使われているDDR2 SDRAMに比べると,はるかに高速である。

 またソニー・グループと東芝,米IBM社は,次世代マイクロプロセサ「Cell」に,XDRインタフェースのメモリ・コントローラ回路(XDR Controller I/O Cell(XIO))を採用した。試作チップには2チャンネルのXDRコントローラ回路が内蔵されている(『日経エレクトロニクス』,2005年2月28日号,p.111を参照)。


DDR 2 SDRAMとXDR DRAMの主な仕様
名称 DDR2 SDRAM XDR DRAM
主な用途 パソコンやサーバーなどの主記憶 デジタル家電や3次元グラフィックスなど
入出力ピン当たりの最大データ転送速度 400M/533M/667M/800M(ビット/秒) 2.4G/3.2G/4.0G(ビット/秒)
データ転送形式 DDR ODR(システム・クロックの8倍)
入出力バス幅 ×16/×8/×4(ビット) ×16/×8/×4(ビット)
記憶容量 256M/512M/1G(ビット) 256M/512M(ビット)
電源電圧 1.8V 1.8V
入出力インタフェース SSTL
(Stub Terminated Transceiver Logic)
DRSL
(Differential Rambus Signaling Levels)
メモリ・バンク数 4バンク(1Gビット品のみ8バンク) 8バンク(独立)
オンチップ終端 あり あり
パッケージ FBGA BGA
メモリ・モジュール 240ピンDIMM,200ピンSODIMM -
主要なチップセット・ベンダーのサポート あり なし