シリコン・カーバイドと呼ばれる。次世代のパワー半導体として研究開発が活発になっている。Siに比べて高耐圧,低損失で,素子の消費電力を低減することができる。また,熱伝導率が高いのでパワー半導体を冷却するためのファンといった放熱部品を削減できるといった利点が考えられる。

 Siに比べてバンドギャップ幅が約3倍広く,絶縁破壊に至る電界強度が約10倍大きいという特徴を持つ。バンド幅が広いことで熱によって励起されるキャリヤが少なくなるため高温動作が可能になる。また,絶縁破壊電界強度が高いことから耐圧部を薄型化できるためオン抵抗を低減できる。この結果,モジュールの小型化や低コスト化,電力損失の低減を実現できると期待されている。

 SiCはパワー半導体のほか,RFアンプや発光ダイオード(LED)などの基板としても使われている。

SiCとSiの特性の比較
図 SiCとSiの特性の比較
(日経エレクトロニクス2005年2月14日号より抜粋)