温度センサ素子の1種。温度によって抵抗の値が変化する酸化物半導体材料でできた感温抵抗のことで,「thermal (sensitive) resistor」が縮まってサーミスタ(thermistor)となった。大きく分けると,温度が上昇すると抵抗値が下がるNTC(negative temperature coefficient),温度が上昇すると抵抗値が上がるPTC(positive temperature coefficient),ある温度を境に急激に抵抗値が減少するCTR(critical temperature resistor)の3種類がある。

 他の温度センサ素子に比べて,実装面積が小さい,安価といった利点がある。ただし,基本的には抵抗値の温度特性が非線形。広範囲にわたって温度を測定したい場合にはサーミスタのリニアライズ(直線化)が必要となる。体温計などの計測器に用いられるほか,液晶パネルや2次電池の保護回路,プリンタ・ヘッドでの温度検出,パソコンのメイン・ボードでの温度検出などにも使われる。比較的狭い温度範囲で,ある温度を超えたか否かで切り替えるスイッチのように使うことも多い。