ともにBlu-ray Discの規格策定団体であるBlu-ray Disc Association(BDA)が採用を決めた次世代光ディスクの著作権保護技術。いずれも,Blu-ray DiscHD DVDが既に採用を決めた「AACS」とは独立に機能し,不正コピー・ディスクの製造や再生を難しくする。

 BD+技術は,BDプレーヤの内部に入り込んだ不正なプログラムを検知する(図(a))。いわばBDプレーヤ向けウィルス・チェッカといえる。コンテンツ事業者は,過去に登場した不正プログラムを検出できるソフトウエアをディスクの製造時に書き込める。BDプレーヤは,機器が搭載する仮想マシン(VM)を通じて検出ソフトウエアを起動させる。

 BD+が想定するのは,仮に一部のBDプレーヤのセキュリティに脆弱ぜいじゃく性があった場合に,そこを突いた不正なファームウエアがインターネットを通じて世に広まった,などの例である。

 もう1つの著作権保護技術である「BD-ROM Mark」は,加工が難しい特殊なピットをディスクの原盤に書き込むことで,不正なマスタリングによる海賊版の量産を防ぐ(図(b))。ゲーム機向けに採用実績がある技術を応用した。原盤にBD-ROM Markを書き込める装置を厳重に管理することで,技術の流出を防ぐ。ディスクを再生する際には,光ヘッドが読み取ったアナログ信号からBD-ROM Markに特徴的な信号を検出したときのみ,データの読み出しを許可する。

図 液晶テレビに向くおもな液晶技術
図 液晶テレビに向くおもな液晶技術 (日経エレクトロニクス2005年9月12日号より抜粋)