第3世代移動体通信(3G)システム向けに新たに割り当てられる周波数帯域の1つ。2006年4月以降に利用可能になる。当初は新規事業者に特定の帯域を割り当てておき,残りは加入者数の実績に応じて既存事業者も含めて早い者勝ちで確保させる。

 この帯域で3Gシステムに向けて実際に割り当てられるのは,上りが1.7499GHzを超え1.7849GHz以下の周波数帯,下りが1.8449GHzを越え1.8799GHz以下。上り,下りのそれぞれを日本のどことでも使うことができる「全国バンド」と東京,名古屋,大阪の大都市部に限って使える「東名阪バンド」の2種類に分ける(図)。5MHzごと3チャネル用意した全国バンドはすべて新規事業者向けで,まず1チャネルずつ最大2社に割り当てる。残りの1チャネルは,割り当てた2社のうち,加入者数が先に250万人に達した事業者に割り当てる。一方,東名阪バンドも5MHz幅ごとのチャネルに分割する。こちらの周波数帯域は新規だけでなく既存の事業者も確保することが可能である。既に確保している周波数帯域幅ごとに加入者数の基準値が設けられており,達成した事業者から先着順で周波数帯域を確保できる。

1.7GHz帯に設けた「全国バンド」と「東名阪バンド」の下り回線向け周波数。上り回線も同様に分割される。総務省の資料を基に本誌が作成した 図 1.7GHz帯に設けた「全国バンド」と「東名阪バンド」の下り回線向け周波数。上り回線も同様に分割される。総務省の資料を基に本誌が作成した
(日経エレクトロニクス2005年6月20日号より抜粋)