直流のパルスを加えた数に合わせて一定の大きさだけ回転するモータ。専用の位置検出部品を外付けする必要がないため,省スペースかつ低コストに位置合わせの機能を実現できる。デジタル・カメラのレンズ駆動やプリンターの紙送り,光ヘッドの駆動,クルマの走行距離計(オドメーター)といった幅広い用途に向ける。

 ステッピング・モータの中で最も一般的な,コイルを2個使った2相PM(permanent magnet)型の構造を下図に示す。内部に極歯と呼ぶ同モータ特有の機構を備える。コイルに電流パルスを流し極歯を磁化することで,極歯と永久磁石が引き付け合ってロータが回転を始める。そこで各コイルの電流パルスの方向を切り替え極歯の磁極を変えれば,再び極歯と永久磁石が引き付け合ってロータの回転が続く。電流パルスの供給を止めると永久磁石によって極歯が磁化されて,極歯と永久磁石が引き合う位置でロータの回転が止まる。

ステッピング・モータ
図 ステッピング・モータの動作原理
2005年6月6日号より抜粋