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NE用語

有機トランジスタ

ユウキトランジスタ

  • 2005/06/10 16:13
  • 1/1ページ

 有機半導体を使ったトランジスタ。一般にプラスチック基板の上に有機物を蒸着または塗布して作製する。プラスチック基板はSi基板やガラス基板に比べ,厚さが1ケタ以下,比重が半分程度となる。さらに有機物は主に分子間力(ファン・デル・ワールス力)で結合しているため,Si結晶のような原子結合の物質よりも柔軟性に富んでいる。このため有機トランジスタを使うことにより軽く,薄く,曲げられる電子デバイスが作製できるようになる。

 このトランジスタの動作周波数は,主に有機半導体材料とトランジスタの構造により変わる。有機半導体材料のキャリヤ移動度が高くなるほど向上する。ただし有機半導体はSiに比べてキャリヤの移動度が一般に低い。新材料の開発や有機半導体材料の製造技術の改善によりキャリヤ移動度を高める。

 有機トランジスタの構造は,主にMIS(metal-insulator-semiconductor)構造とSIT(static induction transistor)構造の2種類に分けられる(図)。ただし,現在はMIS構造が主流となっている。それは,従来のSi系のトランジスタと同様に層構造であることと,停止時の消費電力を抑制することに優れるためである。Si系のトランジスタと同様な層構造であればこれまでSi系のトランジスタを製作するノウハウが応用できる。加えて,最近では印刷技術により,フォトリソグラフィ工程を使うよりも製造コストを抑えられる。停止時の消費電力を抑制できるのは,キャリアの流れる領域であるチャネル層がほぼ完全に消え,ドレイン電極からソース電極に流れるキャリア数が急減するからである。

 一方のSIT構造は,動作周波数を高めやすいことと,ドレイン電流量が大きいことにおいてMIS構造よりも優れる。しかし,消費電力がMIS構造より大きく,動作が停止している場合も消費電力が大きいため採用例が少ない。動作を停止した場合,ゲート電極の周辺に空乏層を形成することでドレイン電極からソース電極に達するキャリヤの流れを断ち切る工夫をしているものの,空乏層によるキャリヤの流れ込み抑制効果がMIS構造よりも弱く,ソースに到達するキャリヤが多いからである。

MIS構造とSIT構造
図 MIS構造とSIT構造
2001年10月8日号より抜粋

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