DisplayPort
ディスプレイポート
ディスプレイ関連の標準化などを手掛けるVESA(Video Electronics Standards Association)が策定した,「DVI」の後継を狙った次世代デジタル・インタフェース規格のうちの1つ。2006年5月に1.0版の仕様を策定した。HDMIと同様に1本のケーブルで映像信号と音声信号を伝送できる。DVIのように音声信号の伝送に向けたケーブルを別途用意する必要がない。DVIに比べてコネクタが小型である。パソコンやテレビ受像機,DVDレコーダといった機器の種類にかかわらず使えるインタフェースにすることを狙う。
信号線1対当たりのベースバンド信号の伝送速度は最大2.7Gビット/秒。これを4対束ねて,ケーブル1本当たり最大10.8Gビット/秒の伝送速度を実現する。例えばRGB形式の色階調数を最大各16ビットに高めた48ビット・カラーのフルHD(1920×1080p,60フレーム/秒)の映像信号や,フレーム周波数を60Hzから120Hzに高めたフルHDの映像信号を伝送できる。現在策定中の「DPCP(DisplayPort content protection)」と呼ぶ著作権保護機能で,映像信号と音声信号を伝送可能。
高速な信号を長距離伝送するために小振幅の差動伝送方式を用いており,クロック信号はデータ信号に多重している。多重する符号化方式にはIEEE1394やPCI Expressで採用されている8B/10B符号を用いる。
パソコンやAV機器などと外付けのディスプレイ間の接続だけでなく,機器内インタフェースへの展開も視野に入れている。例えば,画像処理LSIやディスプレイ・パネル用のドライバICを駆動するコントローラIC間を流れる映像信号の伝送に利用する。現在,こうした機器内伝送にはLVDS(low voltage differential signaling)が広く使われている。映像信号の多階調化やフレーム速度の向上,高解像度化に対応するには,LVDSの信号線を増やして伝送するしかない。ノート・パソコンの場合, LVDSの信号線をヒンジ部分に通しているためデスクトップ・パソコンよりも配線スペースが限られる。そこで,LVDSよりも1対当たりの伝送速度が高いインタフェースが求められるようになっている。これがDisplayPortの普及を推進する企業の狙いである。
次世代デジタル・インタフェースとしてはDisplayPortのほか,「HDMI 1.3」が2006年6月に決まっており,米Intel社中心に策定中の「UDI(unified display interface)」が2006年7月に策定予定である。薄型テレビやDVDレコーダを始めとするデジタル家電のメーカーが主導して策定したHDMIに対し,DisplayPortは主にパソコン関連のメーカーが策定作業の中心メンバーとして携わっている。例えばカナダATI Technologies Inc.,米Dell Inc.,米Genesis Microchip Inc.,米Hewlett-Packard Co.,米Molex Inc.,米NVIDIA Corp.,オランダRoyal Philips Electronics社,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.などである。
表 DisplayPortの概要
(日経エレクトロニクス2006年7月3日号より抜粋)
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