クルマの電子制御ユニット(ECU)のソフトウエア基盤や車内LANインタフェース規格の標準化を推進することを目的に国内の自動車メーカーや自動車エレクトロニクス関連メーカーが集まり,2004年9月に発足した団体。トヨタ自動車,日産自動車,豊通エレクトロニクス,本田技術研究所が幹事会員となっている。自動車1台に搭載するECUが急増し,さらにECUの開発ではソフトウエア開発が全工数の80%以上を占めるという現状が設立のキッカケとなった。
アプリケーション・ソフトウエアの再利用性を高めることと,ECUの相互接続性を高めることを狙う。そのため,JasParは7個のワーキング・グループを立ち上げた。車内LANインタフェース規格とECU向けソフトウエアに関するワーキング・グループが2本柱である。車内LANインタフェース規格として実用化が近づいている「FlexRay」に関するワーキング・グループを3つ立ち上げ,まずはECU間での相互接続性の確保に注力する。実現すれば,アプリケーション・ソフトウエアを開発する場合には,OSなどのミドルウエア以下の違いを気にしなくて済む。また,異なる半導体メーカーの通信用コントローラを使ったECU間でも問題なく通信できるようになる。
自動車エレクトロニクス分野では,1998年ごろから欧州の自動車メーカーやエレクトロニクス・メーカーが中心となってさまざまな標準化団体を立ち上げ,ここで決まった標準化技術などを国内の自動車メーカーが後追いで採り入れるという構図だった。JasParでは,その活動を通じて得た成果を国際的な標準化活動に反映することにより,仕様の策定をリードすることを狙う。
図1 JasPar設立のキッカケ
図2 7個のワーキング・グループ
図3 世界における標準化の流れ
(いずれも2004年10月25日号より抜粋)