Web 2.0とは,技術的な詳細を示す仕様ではない。あくまで,WWW(world wide web)におけるここ数年の変化をまとめて概念化した用語である。米O’Reilly Media,Inc.らが生み出した。大まかにいえば,WWWを基盤として提供するサービスに関して,米国における2001年の「ドットコム・バブルの崩壊」以降に台頭した最近の新たなタイプのものがWeb 2.0とされる。崩壊以前に確立されたサービスをWeb 1.0として区別しているが,この間に明確な境界線はない。

 Web 2.0の姿に近い企業として挙げられる代表格が米Google Inc.である。O’Reilly社が2005年9月にまとめたWeb 2.0型のサービスの原則を見ると,Google社が提供するサービスとほとんど符合している( O’Reilly,「What is Web 2.0」参考)。急成長するGoogle社を表現するために作った言葉ともいえるだろう。米Amazon.com,Inc.などもWeb 2.0型の代表的な企業とされる。

Tim O’Reilly氏がまとめた「Web 2.0」の7つの原則。当てはまるものが多い企業ほどWeb 2.0の概念に忠実だとされる。ただし「すべてを少しずつ満たすよりも,1つの分野で突出している方が,より有力である」(同氏)。
Tim O’Reilly氏がまとめた「Web 2.0」の7つの原則。当てはまるものが多い企業ほどWeb 2.0の概念に忠実だとされる。ただし「すべてを少しずつ満たすよりも,1つの分野で突出している方が,より有力である」(同氏)。(日経エレクトロニクス2006年1月30日号より抜粋)

  • Web 2.0(2006年1月30日号のKeyword)