fully-buffered DIMM

 次世代のDRAMモジュール規格。モジュール上に,AMB(advanced memory buffer)と呼ぶパラレル-シリアル変換LSIを搭載することで,「DDR2」などの現行のDRAMを使いつつ,モジュール間などのインタフェースをシリアル化したものである。

 この規格が登場した背景には,サーバ機メーカーがDRAMの高速化に伴い,1チャネル当たりに接続可能なモジュール数を減らさざるを得ないという事態に直面していることがある。「DDR 266」や「DDR 333」などのDDR規格のシンクロナスDRAMでは,1チャネルに6枚~8枚のモジュールを接続できた。しかし,より高速なDDR2規格の導入とともに,1チャネル当たり4枚に減った。モジュールの数を増やすほど,チャネルに加わる負荷容量が増すとともに,伝送路のインピーダンス不整合が深刻化するためだ。

 コントローラとモジュールの間や,異なるモジュール間を1対1接続するFB-DIMMを使うことで,これらの問題を解決できる。図は従来のパラレル・バス(a)と,シリアル・インタフェースを採るFB-DIMM(b)について,1端子当たりの最大データ転送速度が533Mビット/秒のDDR2規格シンクロナスDRAMを利用した場合の性能や拡張性を比較した。FB-DIMMを導入することで,従来のパラレル・バスを使う場合よりも最大データ転送速度は約2倍に高まる。シリアル化に伴い,読み出しと書き込みを同時に実行できるためだ。さらに,1チャネルに接続できるDRAMモジュールの数も従来の最大4枚からFB-DIMMでは最大8枚に倍増する。逆に,レイテンシ(行アクセス時間)は長くなる。

iVDR技術規格の全体像
図 レイテンシより最大転送速度や大容量化を優先
2005年3月28日号より抜粋)