National Television System Committee

 カラー・テレビの方式で日本,米国などが採用している。世界には3方式あり,NTSC方式のほかに,ドイツなどのPAL方式,フランスなどのSECAM方式がある。NTSC方式の信号処理を図1に示す。

 カメラ出力の赤(R),緑(G),青(B)信号を,輝度(Y)信号と二つの色差(IとQ)信号に変換する。Y信号の帯域幅は4.2MHzだが,I信号を1.5MHz,Q信号を0.5MHzに帯域制限する。人間の眼は,画面上の面積の小さいところで色の識別能力が劣化するという性質を利用している。

 I信号とQ信号でそれぞれ色副搬送波を変調する。このときI信号とQ信号を分離できるように搬送波の位相を90度ずらしている(直角2相変調)。これが色(C)信号である。C信号をY信号に多重してNTSC信号にする。帯域幅は4.2MHzである。R,G,B信号各4.2MHzを伝送するときに比べて1/3に帯域圧縮している。

 画面で見ると図2のようになる。画面1枚(1フレーム)は525本の走査線から成る。1フレームは2フィールドである。1フィールドは走査線数262.5本で,前フィールドの走査線を1本おきに跳び越して走査する。これを2対1飛び越し走査という。

図1
図1
図2
図2
(図1,図2とも日経エレクトロニクス1987年12月14日号より抜粋)