extended video YCC

 動画像に向けた色空間規格の1つ。従来のsRGB規格よりも広い色空間を持つ。例えば,「Munsell Color Cascade」と呼ばれる高彩度の色票への対応で比較すると,sRGB規格では55%であるのに対し,xvYCCでは100%対応する。

 現在の放送やパッケージ・メディアなどの映像コンテンツは,CRTテレビの色再現範囲,すなわちsRGB規格(ITU―R BT.709規格)を前提に作られている。このため,たとえ色再現範囲がsRGB規格を大きく上回るテレビ受像機が登場しても,映像コンテンツがsRGB規格に準拠している限り,テレビ受像機の性能が十分に発揮できない。そうした状況を打破するために,電子情報技術産業協会(JEITA)のカラーマネジメント標準化グループで検討が始まったのが「xvYCC」である。

 xvYCCの特徴は,HDTVで利用するITU-R BT.709の色域(sRGBと同等)との互換性を確保しながら,色空間を広げたこと。既存のテレビ受像機でも,sRGBの規定範囲では正しい色を表示できる。sRGBではR,G,Bそれぞれを0~1で表現する色のみを利用してきたが,xvYCCでは負の値や1を超える色も定義してある。

図 従来規格と互換性を維持しながら色域を広げる
図 従来規格と互換性を維持しながら色域を広げる (日経エレクトロニクス2005年7月4日号より抜粋)