ばねに取り付けた重りが変位する量を測り,重りにかかる加速度を推定するセンサ。変位を検知する方法によって,幾つかの種類に分かれる(図1)。民生機器向けに開発されている3軸加速度センサのほとんどは,加速度検知機構を半導体プロセスで作るMEMS(micro eletro mechanical systems)センサである。性能としては±数gの範囲を測定でき,0Hzから数百Hzまでの加速度変動に追従する「low g」と呼ばれるタイプになる。ここで「0Hz」というのは重力加速度のみが加わっている状態を指す。このときのX,Y,Zの加速ベクトルの合計から,地面に対する向き(姿勢)を測定する。

 MEMS加速度センサはさらに,検知機構の違いで,(1)ピエゾ抵抗型,(2)静電容量型,(3)熱検知型,の3種類に分かれる(表1)。動電式,歪みゲージ式,圧電式といったこのほかの加速度センサはMEMSセンサに比べるとサイズが大きくなる。比較的小型な圧電式でも,小型のMEMSセンサとサイズを比べると部品の各辺が1ケタ大きい。そのため,主に産業機器の振動測定や工業用ロボットの制御といった用途で使われている。

図1 加速度センサの分類
図1 加速度センサの分類 (日経エレクトロニクス2006年9月11日号より抜粋)

表1 MEMS型の3軸加速度センサの方式(日経エレクトロニクス2006年9月11日号より抜粋)
表1 MEMS型の3軸加速度センサの方式