強誘電体を記憶素子に用いたメモリ。電源を切っても内容が消えない不揮発性メモリである。強誘電体に電界をかけると,その向きを記憶する。かける電界の向きを変えて"0"と"1"を書き換える。さらに,その向きをみることで"0"と"1"を判別する。消費電力や書き換え回数,書き込み速度などを売りに,主に家庭用ゲーム機のメモリ・カードや非接触型ICカードなどの用途で小容量EEPROMの代替として使われてきた。
強誘電体メモリには,強誘電体材料の違いにより大きく2種類がある。1つは,Ramtron社が基本特許を持つPZT(PbZrTiO3)を用いた製品である。富士通など,Ramtron社からライセンス供与を受けたメーカーがFRAMと呼んでいる。もう1つは,SBT(SrBi2Ta2O9)を用いた製品。これを合わせて,強誘電体メモリをFeRAMと表記するケースが多い。
図 各種メモリの動作原理
(2001年2月12日号より抜粋)