single flux quantum(単一磁束量子)の略。2個のジョセフソン接合を超電導線でリング状に接続したもの。CMOSよりもはるかに高速動作する上,低消費電力化を図れることから将来のエレクトロニクスを担う技術として期待されている。演算速度はCMOSの数百倍,消費電力は約1/100である。

 巨視的量子現象である超電導ではリング内部に磁束を動かさないでとどめておくことができ,この磁束は量子化される。リングに接続された抵抗あるいはインダクタンスを通して電流パルスを流すと,ジョセフソン接合が常電導化し,磁束量子を自由に出し入れができる。リング内の磁束の数(0と1)を情報量としての0と1に対応させれば,SFQ素子をフリップ・フロップ回路として扱える。このSFQ素子を組み合わせれば,すべてのブール演算を実行できる。

 2005年8月に米国で開催された「A Symposium on High Performance Chips(HOT CHIPS) 17」では,国際超電導工学研究所(ISTEC)が低温超電導SFQ回路技術を用いて動作周波数が40GHzと高い4×4スイッチ・スケジューラLSIを開発している(Tech-On!関連記事)。動作周波数は半導体素子で製造する場合と比べて約100倍も速い。