グラフィックス関連技術の標準化団体であるKhronos Group(ホームページはこちら)が策定する組み込み機器に向けた3次元(3D)グラフィックス用API。OpenGLは,コンピュータでグラフィックスを扱うための標準的なプログラム・ライブラリであり,OpenGL ESは組み込み機器での利用に向けたサブセットとなる。最近では,携帯電話機で数多く採用されている。またCellを搭載した次世代プレイステーションのグラフィックスAPIにも採用されることになった。

 OpenGL ES1.0が登場したのが2003年。OpenGL1.3のサブセットという位置づけである(図)。その後,2004年にはOpenGL 1.5のサブセットであるOpenGL ES1.1が公表された。2005年夏には,OpenGL2.0のサブセットであるOpenGL ES 2.0が登場する見込み。OpenGL ES 2.0では,プログラマブル・シェーダに初めて対応する。ポリゴンの頂点操作や画素生成の処理内容などをアプリケーションに応じてプログラミングできるようにしたハードウエアに向けた機能で,描画処理の効率を高めやすく表現能力が格段に上がる。

勢いに乗って影響範囲を広げるKhronos Group
図 勢いに乗って影響範囲を広げるKhronos Group
米Khronos Groupは2000年4月に10社が集まって立ち上げた組織である。携帯機器向けの3次元グラフィックス描画用API「OpenGL ES」の策定に力を入れてきた。3次元グラフィックス以外のAPIにも手を広げる。2004年7月に2次元ベクトル・グラフィックス描画用API「OpenVG」,および汎用マルチメディア処理に向けたAPI「OpenMAX」の策定作業を開始した。(2004年8月30日号より抜粋)