米QUALCOMM, Inc.が推進する,携帯電話機向けのマルチメディア配信サービス。UHF/VHF帯の6MHzを使い,一般的なリアルタイム放送と蓄積型放送を組み合わせたサービスを提供する。6MHzの利用例として,15チャンネルのリアルタイム放送(H.264,30フレーム/秒,QVGA),10チャンネルのリアルタイム音楽放送(AAC+),40チャンネルの蓄積型放送を組み合わせられるとする。米国では716MHz~722MHzの周波数ライセンスを取得し,2006年末までに商用サービスを開始することにしている。サービス開始に向けてQUALCOMM社は,サービス運営会社MediaFLO USA Inc.を設立している。

 MediaFLOの無線部分の伝送技術は「FLO(forward link only)」と呼んでいる。OFDM方式を採用しており,4096個のサブ・キャリアの変調方式はQPSKあるいは16値QAMである。標準画質の映像信号と高画質な映像を表示するための信号を組み合わせることで,映像の品質を選択できる。FLO技術については,国際標準として提案すると共に,関連特許を他社にライセンスするという。これにより,QUALCOMM社以外の半導体メーカーもFLO対応のチップセットを作製できる。

FLO Network
図 FLO Network
(2000年2月14日号より抜粋)