立体モデルを断面形状の積み重ねで作製する手法のこと。断面積層法とも呼ばれる。3次元CADデータがあればほぼ自動で立体モデルを作製できるため,短時間で試作品を完成させる手法としての利用が広まった。従来は形状確認用の試作という用途が主流だったが,最近は製品と同じ材質の試作品や,少量生産用の型を作製することも可能になっている。
立体モデルを断面形状の積み重ねで作製するという点は共通するものの,使用する材料や断面形状の作製方法などに差があり,さまざまな手法のRP装置が開発されている。また,各手法ともより高機能な材料の開発や造形時間の短縮を進めており,用途に応じた装置選択が必要だ。
RP装置として最も普及しているのが,光硬化性樹脂を使用する光造形法(光造形システム)だ。レーザなどを光源としたスポット光を,ガルバノミラーやXYプロッタなどを使って樹脂表面に当てて断面形状を硬化させる。日本では数多くのメーカーがRP装置を提供している。
熱可塑性樹脂を使用するRP装置としては,樹脂の吐出方法で2種類がある。米Stratasys社が溶融樹脂を可動ノズルの先端から押し出しながら造形するRP装置を提供する一方,米3D Systems社などがインクジェットプリンタのように溶融樹脂を吐出する方式のRP装置を提供している。
粉末材料を使うRP装置は,硬化させない部分に残る未硬化の粉末が立体モデルの張り出し部分を支える役割を果たすため,基本的にサポートが不要だ。装置としては使用する材料,断面形状の硬化方法で数種類ある。粉末材料をレーザで焼結させる粉末焼結法は,粉末材料として樹脂や金属などを利用できる。また,粉末材料に接着剤(バインダ)をインクジェット方式で塗布して断面形状を硬化させる方式のRP装置もある。
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