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古くて新しいテーマ「通信と放送の融合」

古くて新しいテーマ
「通信と放送の融合」

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2005/07/05 10:16
田中 正晴(日経エレクトロニクス)

 日経エレクトロニクスの最新号で「通信と放送の融合」をテーマにした記事を取り上げました。キッカケは,FTTHの加入数が急増していることです。FTTHを利用すれば,通信網を利用してリッチな映像配信サービスが可能になり,従来のように「放送と通信を組み合わせて新しいサービスを提供する」というものから「通信回線を使って放送サービスも通信サービスも提供する」という形に融合の意味合いが変わります。今はADSLが普及していますが,FTTHによるブロードバンドが整備されると今と何が変わるのかを2010年シリーズの一環で考えたい,というのが特集記事を企画したそもそもの発想です。

 ところで,通信回線を使って提供される映像サービス(放送サービスやVOD)を,家庭のテレビ視聴する事業が本格化する日は来るのでしょうか。私自身は,記事を企画した頃に行われたソフトバンクの決算発表会における孫正義代表取締役社長の事業戦略の説明を聞いて,確実に来ると確信しました。理由は「ソフトバンクにおけるテレビのポータル事業は,サービスとしては重要な位置づけを占めているが,同社の収益構造における位置づけはブロードバンドで提供される数あるサービスの1つに過ぎない」ということです。つまり,今は「映像配信だけを取り出して事業として成立するかどうか」という議論は,ソフトバンクにとってはそれほど大きな意味をなさないということです。

 今回の決算で孫社長は,インフラへの投資を一通り終えたことから,携帯電話事業など今後も新規事業案件が多数あるにも関わらず「もう黒字化は目の前だし,もう赤字にはならない」といいます。また,ADSLの1ユーザー当たりの平均収入(ARPU)が増えている図も出していました。数年後には,携帯電話事業やテレビ・ポータル事業を含めて,1世帯当たりのARPUを示すようになっているでしょう。我が家でも,通信/放送/ケータイのサービスをセットにして,例えば,同社の現行ARPUの2倍以上に相当する1万円を多少越える金額を提示されても,喜んで加入すると思います。事業者の候補には,ソフトバンクに加えて,NTT,KDDI,電力会社系通信事業者,さらにケーブルテレビもありそうです。いずれにして各社のグループが総力を上げて用意したサービスと料金を見比べた上で,1社に通信に関わる全てのサービスを委ねることになる,という形態に変わると考えました。

 そして次に考えたのは,このような時代にソフトバンクのような通信事業者が提供するセットトップ・ボックスはどういうものになるのか,ということです。通信業界から提供されるセットトップ・ボックスはホーム・サーバに化けていき,提供する通信サービスと密接にリンクした機能が搭載されるでしょう。そのとき,家電メーカーが構想するホーム・サーバとどういう関係になるのか・・・。仮に競合の関係になると,非常に手ごわい相手になると思います。

 既にFTTHの料金はどんどん下がっており,マンションでは既にADSLより安く,戸建でもIP電話と組み合わせるとそれほど料金アップにはなりません。確実に,ADSLからFTTHの時代に移行しそうです。そのとき,読者の方々は,社会やビジネスの環境がどう変化すると考えますか。

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