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スーパーコンピュータ開発の知見をデジタル家電のマイクロプロセサに生かす

スーパーコンピュータ開発の知見を
デジタル家電のマイクロプロセサに生かす

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2005/04/07 10:21
浅見 直樹(日経エレクトロニクス編集長)

 先日,富士通研究所フェローの高村守幸氏にお会いしました。発端は,今年の1月3日号「伝承」において,ベテラン技術者のキャリアパスについて取材している際,私が「フェローは現役ですか,それとも名誉職ですか」と質問したことにあります。富士通の広報担当者から「富士通のフェローは現役であることを知っていただきたい」とお話をいただき,高村氏をご紹介していただいたわけです。

 高村氏も私も,顔を合わせた瞬間,ぐるぐると時計の針が逆回りしましました。ほぼ15年ぶりの再会だったのです。当時の高村氏はスーパーコンピュータの開発責任者であり,米国企業やNEC,日立製作所などと激しい性能競争を演じていました。同氏は特許も数多く出願しており,この分野の権威として広く知られております。私も当時,取材を通じてコンピュータ・アーキテクチャの先端技術を学ばせていただきました。

 高村氏,今ではデジタル家電に向けたマイクロプロセサ開発に従事しています。内部構造が複数のCPUコアを並べたマルチコア型になることで,スーパーコンピュータ開発における同氏の知見が必要とされています。まさに技術のダウンサイジングといえます。

 マイクロプロセサの歴史を振り返れば,半導体技術の進歩に伴い,多くの機能を飲み込んできました。キャッシュに,浮動小数点演算ユニット,そして命令レベルの並列処理,複数データの並列処理など・・・。そしてマルチコアになると,複数のコンピュータをつなぐクラスタ・システムが1チップに実装されたようなものです。こうなると従来のマイクロプロセサ設計者の手に負えない要素も多々あります。高村氏は,かつてスーパーコンピュータ開発を経験したハードウエア技術者とソフトウエア技術者を招き,喧々囂々の議論を展開しているようです。

 米国では,人は会社に残りません。スーパーコンピュータ・メーカーの技術者は三々五々,いろいろな会社に移ってしまっています。しかし日本企業には,こうした人的資源と経験が残っています。これを次なる技術開発に伝承することこそが,日本企業の強みといえます。さて,こうした過去の経験を盛り込んだ富士通のマイクロプロセサ,その出来映えはいかなるものか,今後の技術発表に期待します。

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