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メーカーは「下流食いビジネス」に参入すべきなのか

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2010/09/06 10:07
大森 敏行=日経エレクトロニクス

 従来の電子機器は売り切りが前提で,メーカーは魅力的な製品をいかに低コストで製造するかに注力していれば済みました。しかし,EMS/ODMの台頭で,ハードウエア自体は誰でも用意できる時代になりつつあります。iPhone/iPadの成功に見られるように,「今後は製品と一緒にサービスも提供しなければ生き残れない」と感じているメーカーは多いのではないでしょうか。

 日本の電子機器向けサービスで現在,勢いがあるのは,主に携帯電話機向けにゲームやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を提供している「モバゲータウン」と「GREE」でしょう。モバゲータウンを運営するディー・エヌ・エー(DeNA)とGREEを運営するグリーの時価総額は,既にフジテレビや日本テレビを超えているという指摘もあります(ブログ記事)。ビジネスの観点からは,こうした企業は,サービス分野に進出するメーカーのお手本となるべき存在と言っていいでしょう。

 先日,ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2010」でグリーの代表取締役社長である田中良和氏が行った発言が,ちょっとした話題になりました。「ソーシャル・ゲームにはパチンコやテレビのような“単純さ”が必要」であると,自社が提供するソーシャル・ゲームのサービスをパチンコにたとえてみせたのです(発言を報じた記事)。田中氏はパチンコの「単純さ」という側面を自社のサービスと比較しただけでしたが,「実はユーザー層も同じではないか」とする,あるTwitterユーザーのつぶやきが注目を集めました。「サラ金(消費者金融)→パチスロ→法律事務所→ソーシャルゲームとTVCMに出稿する広告クライアントの主流は21世紀以降移り変わってきたけども,業態は違えど“これらのビジネスターゲット”が全く変わっていないことに注目すべき」というigi氏(TwitterのID)の発言です(発言へのリンク)。現在,テレビではGREEやモバゲータウンが提供するゲームのCMが盛んに流れています。目にしたことのある人は多いでしょう。

 著名なITジャーナリストである佐々木俊尚氏は,上記の発言に触発されて「パチンコのような射幸心も? ソーシャルゲームはますます下流食いビジネスへ」とTwitterでつぶやきました(発言へのリンク)。ソーシャル・ゲームを「下流食いビジネス」と呼んだのです。佐々木氏は次いで「しかしこういう下流食いビジネスにこれから日本のウェブの『スタープレーヤー』たちが流れ込んでいくのか・・。日本でネットが普及し始めてから,15年。感無量だ」とつぶやきました(発言へのリンク)。

 この発言の「スタープレーヤー」の部分には解説が必要かもしれません。実は先日,ブログやソーシャル・ブックマークなどのサービスを手掛ける「はてな」という企業の最高技術責任者(CTO)だった伊藤直也氏が,グリーに転職することを自身のブログで公表したのです(ブログ記事)。伊藤氏はソーシャル・ブックマーク・サービス「はてなブックマーク」の生みの親であり,Webサービスの開発に携わる技術者であれば知らない人はいないスター技術者です。ほかにも,最近,ディー・エヌ・エーに入社した技術者もいます。背景にあるのは,サービス事業者による優秀な技術者の争奪戦です。ディー・エヌ・エーは,一定の条件を満たす中途採用の技術者に対し,入社時に200万円を支給する制度を導入しました。グリーも,中途入社する技術者で一定の基準を満たした者に対し,最大200万円を支給するとしています(新聞記事)。

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