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日経Automotive Technology雑誌ブログ

EV/PHEVの普及を後押しする電力料金を《訂正あり》

2010/06/01 20:21
鶴原 吉郎=日経Automotive Technology
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 2010年12月に日産自動車が電気自動車(EV)「リーフ」の発売を予定し、トヨタ自動車も2012年始めまでに「プリウスプラグインハイブリッド(PHV)」を一般消費者に手の届く価格で発売することを表明するなど、「家庭用電源で充電できるクルマ」が一般消費者にとって身近な存在になる日が近づいています。こうした電動車両は、環境に良いということに加え、割安な深夜電力を利用すると、1km走行あたりのランニングコストを、ガソリン車より大幅に減らせるというのをアピールポイントの一つにしています。

 簡単に計算してみましょう。たとえば、プリウスPHVの燃費ならぬ“電費”は6.57km/kWh(JC08モード)と発表されているので、深夜電力料金を8円/kWhとすれば、10km走行あたりの電力コストは約11.9円になります。通常のガソリン車の燃費を10km/L、ガソリン1L当たりの価格を130円とすれば、プリウスPHVの走行コストは、通常のガソリン車の1/10以下、PHVでない通常のプリウスの実用燃費を20km/Lとしても、やはり1/5以下で済みます。これは大きな魅力といえるでしょう。

 しかし、実際にはなかなかそうならない、という指摘を聞きました。というのは、今の料金体系で深夜電力を割安に利用しようとすると、昼間の電力料金が2割以上高くなるからです。日本の一般な家庭では、クルマの走行距離がそれほど長くないので、深夜電力料金契約をすると、クルマを充電する際に割引になる料金を、昼間の電力料金が高くなる分が上回る場合が多く、かえって損だというのです。

 もし深夜電力料金を適用しないと考えると、電力料金は23円/kWh程度。プリウスPHVの10km走行あたりのランニングコストは35円ほどになります。これでも、ガソリン車の1/3以下ですが、通常のプリウスとの差はかなり縮まります。たとえば、年間1万km走行するユーザーなら、ガソリン車では年間のガソリン代が13万円かかりますが、プリウスだと6万5000円、プリウスプラグインハイブリッドはすべてEV走行と考えると3万5000円となり、プリウスとの差は年間3万円ということになります。

 もし通常のプリウスとプリウスPHVの価格差が30万円程度だと、この価格差を償却するのに10年かかることになり、「なら普通のプリウスでいいや」ということになりかねません。ちなみに日産リーフの電費も、プリウスPHVと同程度なので、ランニングコストの比較では、同様な結果になるはずです。

 クルマの電動化を進めることは、環境問題への対応のみならず、エネルギの石油依存度を下げる意味でも重要な意味を持つはずです。現在EVやPHEVでは、購入時の補助金が支給されていますが、昼間の電力料金を上げずに、深夜電力料金を適用するなど、電力会社にもEV/PHEVの購入を後押しする料金体系を期待したいものです。電力需要の平準化にも寄与するでしょうから、電力会社にとっても損なことばかりではないはずです。

■変更履歴
記事掲載当初,ガソリン車やEV、PHEVのランニングコスト比較の前提が「年間10万km走行するユーザーなら」となっていましたが「年間1万km」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。本文は訂正済みです。
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