「ソニーはミラーレス機の最も積極的な推進者になる」と考えるわけ
正直,ホッとしています。ソニーが「PMA 2010」においてミラーレス機を2010年に発売することを明らかにしたからです。私は,これから”ミラーレス機が来ますよ”という記事を執筆し,日経エレクトロニクスに掲載されたばかりでした。
ソニーは一眼レフ機(ミラー内蔵カメラ)も引き続き開発します。ただ中期的には,きっとソニーは最も積極的にミラーレス機の普及を進める企業になるはずです。こう私が推測する背景は,三つあります。
第1は一眼レフ機事業において,欧州を中心に台数はかなり出ているものの,肝心の利益が大変に心許ないこと。キヤノン,ニコンとは明らかに異なるユーザー体験を提供することによって価格決定力を持たない限り,抜本的な解決は難しいでしょう。そしてそれを実現するのが,ミラーレス機が利用する電子式ファインダーです。技術的に言って電子式ファインダーは,ユーザー体験を変えられます。ユーザーが写真のボケ具合を一眼レフの光学式ファインダーより的確に制御できたり,ファインダーを目的に応じて取り換えられたりするためです。
第2は,ソニーの屋台骨であり続けたビデオ・カメラ事業の収益性が低下していること。「FlipVideo」や台湾メーカーの安価で,意外に良く撮れるビデオ・カメラが”高画質の値崩れ”を強烈に進めているからです。これにはもちろん,デジタル・カメラのHD対応も影響しています注1)。
注1) 例えばYouTubeで「EOS 5D Mark II」で撮ったHD動画を見ていただければ,一眼レフ機やミラーレス機の動画の画質が,民生用ビデオ・カメラより格段に高いことが確認できます。ただし,既存の一眼レフ機やミラーレス機は,動画撮影時のオートフォーカスに大きな課題を残しています。
第3は,ミラーレス機に注力することが,一眼レフ機やビデオ・カメラにおける開発費や部材費の低減,ひいては収益性の向上につながること。ミラーレス機に必要な部品や技術は「ビデオ・カメラと一眼レフに転用できる」(同社 パーソナルイメージング&サウンド事業本部長の今村昌志氏)からです。ソニーは数年後,ミラーレス機と,専用機ならではの使いやすさを備えたビデオ・カメラ,そして光学ファインダーならではの良さを備えた一眼レフ機を販売するのではないでしょうか。
最後に”ミラーレス機が来ますよ”という記事を読んだ方から,鋭い指摘を受けてこちらに私なりの回答を載せました。ご覧いただければ幸いです(Tech-On!の無料のID,パスワードをお持ちの方は簡単に読めます)。
















