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日経エレクトロニクス雑誌ブログ

ケーブルのないテレビ,現る

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2010/02/08 09:50
蓬田 宏樹=日経エレクトロニクス
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「あちゃー,ついに出たか…」
 
 先月,米ラスベガスで開催された2010 International CES で,個人的に一番グッときた話題は,中国Haier社が出展した「線の無いテレビ」でした(Tech-On!の関連記事)。

 電力を無線で送るワイヤレス給電技術によって電源ケーブルを無くし,高速無線機能を組み込んでAVケーブル無しで1080pのHD映像を受信して表示できます。100Wの電力を1mほど離れた機器に伝送できるシステムを組み込むことで,まさに「電源ケーブルが消える日」を体現した,意欲的な試作機という印象です。

「先を越された」感も

 ワイヤレス給電技術とHD映像の無線伝送技術は,弊誌ではかなり積極的に追いかけてきた経緯もあり,展示会などで両者を組み合わせた製品企画が「いつ」出てくるのか,今か今かと心待ちにしていました。正直なところ,今年秋のCEATECあたりで日本のメーカーから登場すると期待していましたので,「うわあ,中国メーカーに先を越されたか・・・」と,感じました。既にソニーがワイヤレス給電でテレビを駆動する実演を行っていますので,ひょっとするとソニーが見せるのではという観測もありました(Tech-On!の関連記事)。

 Haier社が採用したワイヤレス給電技術は,米Massachusetts Institute of Technology(MIT)のMarin Soljacic氏らが立ち上げたベンチャー企業であるWiTricity社のシステムです。Soljacic氏らの研究チームが,約2m離れた60Wの電球に無線で電力を供給して,世界中をあっと言わせてからわずか2年半。これほど短期間で,市販品に近いテレビの試作機が登場するということには,米ベンチャー企業や中国メーカーのスピードの速さを感じずにはいられません(Tech-On!の関連記事)。

 とはいえ,これをきっかけにほかのテレビ・メーカーやAV機器メーカーも,同様のシステムの試作を積極的に進めることになりそうです。現地で取材したT記者によれば,「Haier社の展示品の周辺で,説明員に根掘り葉掘り質問する日本人や韓国人を多数見かけた」ということで,国内メーカー技術者の関心も高かったと予想されます。ほかの中国メーカーや韓国メーカーを含め,1年後のCESまでには研究開発が大きく進展することでしょう。

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