電気自動車もアンドロイド?
先日、電気自動車(EV)開発ベンチャーのSIM-Driveが、量産を前提とした電気自動車を2010年末までに試作する「先行開発車事業第1 号」を開始したと発表しました(関連記事)。同社は、慶應義塾大学環境情報学部教授で同社社長の清水浩氏が過去30年に培ってきたEV技術を世界に広めることを目的に、2009年8月に設立されたものです。
清水氏は、世界最速のEV「エリーカ」を製作したことで知られています。エリーカは、八つの車輪をインホイールモータで駆動し、板状の中空フレームの内部に2次電池やインバータなどの走行に必要な主要部品の全てを収納する「コンポーネントビルトイン式フレーム」を組み合わせているのが特徴です。
このインホイールモータと、コンポーネントビルトイン式フレームを組み合わせたプラットフォームのうえに、空力特性の優れたアッパーボディをかぶせ、現状のEV並みの電池搭載量で、航続距離は約2倍にあたる300kmの実現を目指すとしています。
この事業に、企業だけでなく、地方自治体なども含め、さまざまな業界から34団体が参加することも、併せて発表されました。SIM-Driveは1団体あたり2000万円の参加費を集め、試作車両の開発・製作費用に充てます。参加企業には、この事業の成果物である開発したEVの仕様書、基本図面、試験成績書が提供されます。
つまり、2000万円支払いさえすれば、今回開発されるEVの基本的な技術情報はすべて提供されるというわけです。自動車メーカーが新車開発に、100億円単位の研究開発費を投資していることを考えれば、ほとんどタダのような金額で電気自動車の基本技術が手に入るといえるでしょう。EV事業に参入してみたいけれども技術がない、そんな企業にとっては、まさに渡りに船の話ではないでしょうか。
携帯電話機の世界では、米Google社が無償で提供する基本ソフト「アンドロイド」を使った「アンドロイドケータイ」が増殖しつつあります。SIM-Driveが提供する技術情報は無料ではありませんが、かなり低額だという点で、アンドロイドと共通するものがあります。
電気自動車の時代になると、自動車産業の構造はデジタル家電に近づくといわれますが、今回のSIM-Driveの発表は、まさにそれを実感させるものでした。






















