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知っていますか? 直流給電への取り組み

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2008/12/24 09:20
狩集 浩志=日経エレクトロニクス

 電力を直流で機器に供給する,いわゆる「直流給電」に注目が集まっています。テレビやパソコン,電話機,プリンター,携帯電話機,ゲーム機,携帯型音楽プレーヤーなど我々の身の回りにある機器は,実は直流で駆動するものばかりです。しかも,最近では洗濯機やエアコン,蛍光灯などの機器もインバータを搭載しているため,これらの機器でも交流を一度直流に変換し,その後,高周波の交流に変調しています。

 そこで,現状の交流ではなく,直流で機器に給電し,交流から直流,あるいは直流から交流といったAC-DC変換の回数を減らして変換ロスを低減しようとしているのが直流給電です。今,この直流給電に対する取り組みがデータ・センターや家庭,工場,店舗など,さまざまな分野で加速しています。

 特に導入に向けた動きが激しいのが,データ・センターです。サーバー機などIT機器からの消費電力を削減する有効な対策として,直流給電システムを導入する事例が増えています。現在のデータ・センターでは,電力の瞬間的な低下,いわゆる瞬低(瞬停)を防ぐため,蓄電装置を備えた無停電電源装置(UPS:uninterruptible power supply)を設けています。そのため,系統電力からの交流は,一度AC-DC変換して直流となって蓄電装置に供給された後,DC-AC変換して再び交流となり,サーバー機などの機器に供給されています。そして,サーバー機内に供給された交流は機器内でもう一度AC-DC変換され,直流となって機器内に給電されています。

 つまり,系統からの電力は3回も交流と直流との変換を繰り返すため,仮に変換効率が90%あったとしても,この3回の変換だけで約27%の電力を損失してしまうことになるわけです。これを直流で給電すれば,大きな効果が生まれます。系統電力の供給口で,変換効率90%以上のAC-DCコンバータで一括変換し,蓄電池と機器で利用すれば,変換ロスを大幅に削減できます。実際,データ・センター関連企業では電力消費を1〜2割程度は削減できるとみています。

パナソニックも動き出す?


 家庭に向けた直流給電システムも盛り上がりを見せています。2008年9月30日〜10月4日に開催された「CEATEC JAPAN 2008」ではシャープやTDKが,太陽電池と蓄電池を組み合わせ,直流で家庭内に給電する「直流ハウス」のコンセプトを相次いで披露しました。

 そして,パナソニックも虎視眈々とこの分野に参入しようとしているようです。同社は2008年12月19日に三洋電機と業務・資本提携することが決まりました(関連記事)。その緊急会見で,パナソニック 代表取締役社長の大坪文雄氏は「家まるごと,ビルまるごとを管理し,テレビを使ってエネルギーの最適な調整ができるようにしたい」との見解を示しました。

 パナソニックが持つ燃料電池と三洋電機が持つ太陽電池といった「創エネ」と,両社が強みとするLiイオン2次電池などの「蓄エネ」,そしてデジタル機器や家電,部品などで培った「省エネ」を組み合わせ,エネルギー・マネージメントで比類なき企業を目指すとしています。必ずや直流給電システムにも踏み込んで来るはずです。

 実際,パナソニック・グループであるパナソニック電工は,直流と交流の両方を給電できるハイブリッド給電盤を2010年に市販することを明らかにしており,家庭に向けた直流給電システムの開発が活発化しています。日経エレクトロニクスでは,2008年12月29日号に「直流給電,省エネの切り札に」と題した特集記事を掲載します。是非ご一読下さい。

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