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日経ものづくり雑誌ブログ

私が気になったおもちゃたち

2008/06/25 19:48
中山 力=日経ものづくり
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 先週の木曜日(6月19日)に開幕した「東京おもちゃショー2008」。残念ながら平日は仕事の都合で行けなかったため,土曜日と日曜日に会場へと足を運びました。テレビやWebなどのニュースで採り上げられているので「今さら感」はあるのですが,私が気になった最新の“おもちゃ”を,現場で仕入れた小ネタとともに紹介したいと思います。

 近年流行の飛ぶおもちゃ。リモコン操縦できる飛行機やヘリコプターなどがお手軽な値段で手に入れられるようになりました。そんな中,ちょっと変わった飛ぶ姿を見せてくれたのが,タカラトミーの「QFO」とシ・シー・ピー(CCP)の「ワンダースピン」です。


【図1】「QFO」の名称は,「チョロQ」と「UFO」を混ぜ合わせた名称だとか。写真ではちょうど「Q」文字の当たりに浮かんでいます。2008年9月下旬の発売。価格は4200円(税別)。 (画像のクリックで拡大)

【図2】QFOの裏側にあるプロペラ。 (画像のクリックで拡大)

 両方とも基本的にはヘリコプターと同じように垂直軸で回転するプロペラによって浮力を得ますが,ヘリコプターでいうところのテールロータはありません。飛行する姿を見ていると,自分自身が回転しながら浮かんでいく不思議な感じがします。

 QFOは発泡スチロール製の板を十字に組み合わせた機体にモータを組み込み,下側にプロペラを装着してあります。プロペラを回転させる反力で機体は逆側に回転してしまいますが,それ以上の速度でプロペラが回転するために浮力を得られるというわけです。


【図3】「ワンダースピン」は,小さな二つのプロペラで機体全体を回転させて浮力を得る。2008年8月の発売予定。価格は6980円(税別)。 (画像のクリックで拡大)

【図4】近接センサを使って手から遠ざかるように誘導する「念力モード」。 (画像のクリックで拡大)

 一方,CCPのワンダースピンは樽形の機体に2枚の大きなプロペラを取り付けてあります。機体そのものにはモータは入っておらず,機体と2枚のプロペラは一体になって回ります。それを回すのが,機体からは2枚のプロペラと直交するように飛び出た2本の棒。その棒の両端には,それぞれ小さなプロペラを直結した小型モータが配置されています。これを回転させることによって機体と大きなプロペラを回転させ,浮力を得る仕組みです。

 前後左右の移動は,小さなプロペラの回転数を制御することで実現しています。リモコンからの赤外線を機体に取り付けたセンサで検知することで,操縦者がいる方向を認識します。機体そのものが回転しているので,受光するタイミングから方向が分かるわけです。さらに機体には近接センサが取り付けてあり,飛行中の機体に人の手などを近づけると遠ざかるように動く「念力モード」も搭載していました。


【図5】壁や天井を走行できる「エアロスパイダー」。2008年10月の発売予定。 (画像のクリックで拡大)

【図6】エアロスパイダーの底面。中央部にある吸気口から空気を吸い込む。両側には布製のガードを取り付け,吸気口の形状は前後方向から流入しやすいようにしてあるのがポイントだ。駆動輪は,写真で車体の左上と右下にある白い車輪(外から見える4輪はダミー)。これらの回転差で進行方向を変えたり,旋回したりできる。 (画像のクリックで拡大)

 空は飛びませんが,少しだけ重力に逆らっているのがタカラトミーが出展した「エアロスパイダー」です。赤外線リモコンによるクルマのおもちゃですが,垂直の壁だけでなく天井さえも走行できます。そのカラクリはボディ底面にある吸気口。ここから空気を吸って底面側を負圧にしているわけです。

 壁や天井の表面がある程度は滑らかでないと,吸引力が小さくなって落下してしまいます。より小さな吸引力でも吸い付けるようにすると同時に,落下時の破損を防ぎ,安全性を確保するために軽量化には苦労したそうです。


【図7】栄進堂の「Tゲージ」。レールとコントローラのセットが5000円(税別),車両セットが5000円(同)。 (画像のクリックで拡大)

【図8】線路や列車だけでなく,ジオラマに必要となるさまざまな小物も作成する。写真はガレージの上に100人の人形を載せたもの(参考出品)。このほか,蛍光灯のように点滅しながら点灯するLEDランプなども参考出品していた。 (画像のクリックで拡大)

 小ささを極めたおもちゃの中で,気になったのが二つありました。まずは栄進堂の軌道幅が3mmの鉄道模型「Tゲージ」。2006年のおもちゃショーにも出品されていて,当時は年内にも発売といわれていたのですが2008年7月にやっと一般への販売が始まります。小さいだけに線路の製造が難しかったそうです。従来は金属製のレール部分と台座の樹脂部分を別々に加工して組み立てていたのですが,これをインサート成形とすることでレールの強度を向上しました。


【図9】カワダの「nanoblock」。2008年秋に発売予定。まずは1800個入りのスタンダードセットを2種類,5040円で発売する。 (画像のクリックで拡大)

 もう一つは,「ダイヤブロック」で知られたカワダの「nanoblock」です。とはいっても各寸法はnm単位というわけではなく,縦・横・高さなどがダイヤブロックの約半分。最小部品は4×4×3mmという大きさです。小さいだけに精度の高い成形が必要なため,すべて国内で生産していることをアピールしていました。

 実は,ダイヤブロックとは大きさだけでなく材質も異なるそうです。ダイヤブロックは,はめあい部分の取り外しやすさからゴム系の樹脂を使用していましたが,同じ材料でnanoblockを成形しようとしたところ,金型からの離型性が悪いためにうまくいきませんでした。そこで,nanoblockではABS樹脂へと変更しています。一度はめると取り外しにくくなってしまいましたが,主な対象が大人で,一度組み立てたものを飾ることが多いと想定していることから,材料の変更に踏み切ったといいます。


【図10】コクヨの「アイクリップ」。洗濯ばさみのようなクリップを組み合わせる。 (画像のクリックで拡大)

 小さな部品を組み立てて,さまざまな形にして遊ぶおもちゃとしては,コクヨの「アイクリップ」に懐かしさを感じてしまいました。これは,ばねの力で開閉するクリップを使うものですが,洗濯ばさみに似ています。子どものころ,缶の中に入っていた大量の洗濯ばさみを使ってクジャクの羽のような扇形を作ったり,ロボットもどきを作って見た記憶がよみがえります。


【図11】バラストタンク内の空気をシリンダで圧縮し,上昇・下降する「U-Diver」。2008年8〜9月に発売予定。価格は6980円。 (画像のクリックで拡大)

【図12】船尾には直進・後進用のスクリュがあり,その下には旋回用の歯車が付いている。歯車は垂直軸で回転し,その一部を露出させることで回転方向に応じた旋回力を発生させる。 (画像のクリックで拡大)

 どこかで見たことがあるものといえば,CCPが出品したリモコン操縦可能な潜水艦のおもちゃ「U-Diver」があります。内蔵したシリンダを動かすことで内部の空気を圧縮し,水中で垂直に上昇・下降することが可能になりました。CCPではありませんが,他のメーカーが数年前にバラストタンク内蔵の潜水艦のおもちゃを発売すると聞いたことがあります。CCPの方に聞いたところ,その製品はまだ発売されておらず,U-Diverが先行したとのことです。

 これらのほかにも,タクシー料金に換算して表示する万歩計や5秒限定のストップウォッチなど,目の付け所に感心させられるおもちゃがたくさんありました。少子化の影響か,子ども1人に対して大人(親,祖父母)が数人という比率だったようにも感じましたが,子どもから大人までが楽しめる展示会だったのではという印象でした。

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