本籍地の記載が消えたIC運転免許証を取得して思ったこと
先日,運転免許証の書き換えに行った。視力検査などすべてのハードルをクリアした後,IC化された新しい運転免許証が手渡された。従来の免許証に比べて,ちょっと厚く,そして硬い。「運転免許証がIC化される」ということは数年前から知っていたが,「運転免許証の有効期限が切れるので書き換えに来てください」というハガキが来るまで,すっかり忘れていたのが正直なところである。また,あとで分かったのだが,免許証の交付手数料はIC分として従来よりも450円高くなっている。
書き換え当日に運転免許試験場に行くと,例によって視力検査などを受けたが,これまでとは違う「工程」があった。CD(現金支払機)のような装置が数台置いてあるコーナーがあり,その装置に4ケタの暗証番号を2組打ち込むというものである。そういえば,届いたハガキに「4ケタの暗証番号を2組考えておいてください」といった文言も入っていた。この2組の暗証番号が何のためのものなのか良く分からなかったのだが,とりあえず頭に浮かんだ4ケタの数字を2組入力した。すると「暗証番号1:××××,暗証番号2:××××」といったレシートのような紙が出てきた。それを受け取ってから,講習を受ける部屋へと移動した。
講習では,これまた例によって事故などの映像を見たりしたが,最後に講師の人が免許証のIC化について説明してくれた。平成19年(2007年)1月から免許証がIC化されたこと,目的は免許証の偽変造防止であること,などなど…。「で,皆さん,先ほど4ケタの暗証番号を2組登録したと思います。もしかしたら0000とか1111とか適当に打ち込んだ人がいるかもしれませんが,あの暗証番号は実はとても重要なんです」。えっ!そうなんだ…。重要なら重要って最初に言ってくれよ!と思った人も,きっといたに違いない。幸い私は適当に番号を打ち込まなかったので,胸をなで下ろした。
講師の説明によると,免許証の表面に記載されている内容はICチップに記録され,その内容はICカード読み取り装置に暗証番号を入力しないと見ることができないという。さらに,新しい免許証では本籍欄が空欄になっているとも説明してくれた。本籍を見るには暗証番号が必要になるわけだ。プライバシーの観点から削除したそうだが,お堅く言えば個人情報保護法にのっとった措置ということなのだろう。であれば,そもそも本籍の欄は不要なのでは,と感じた(なぜ欄を残したのだろうか…)。
また,読み取り装置で暗証番号を3回続けて間違えて入力すると,ICカードに記録された内容を読み取れなくなってしまう(ロックされてしまう)とのこと。その場合は府中や鮫洲,江東(東京都の場合)などの各試験場,あるいは警察署まで出向き,ロックを解除しなければならない,とも…。講師の人は「ということなので,今回,適当に暗証番号を入力した人は,次回からはきちんとした番号を入れるようにしてくださいね」と言っていた(「だったら,なおさら最初に重要性を教えておいてくれよ」と感じた人もいたことだろう)。
もっと驚いたこともあった。運転免許証といえば,保険証やパスポートなどとともに銀行や郵便局といったさまざまなところで身分証明証として使われている。本籍地を確認しなければならないケースがどれほどあるのか不明だが,講師の人によれば「今後,IC運転免許証の読み取り装置が全国の銀行や郵便局などにも設置される」そうだ。ということは,全国には相当数の銀行や郵便局があるわけだし,読み取り装置を受注したメーカーにとっては大きなビジネスになるなあ〜と話を聞きながら,頭の中でソロバンをはじいた。新しい免許証をもらった後に確認したところ,読み取り装置には大手電機メーカーのロゴが入っていた。


















