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ガソリンは安くなってほしいけど・・・

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2007/07/06 09:30
田島 進(主任編集委員)

 またまたガソリンが値上げになり,7月の給油店の全国平均はレギュラーが140円/L,ハイオクは150円/L前後になるそうです。夏休みを前に実にいやーな感じですが,一方で,これでさまざまな脱石油技術の開発が進めばそれはそれで善しとするか,という気持ちであきらめることにしました。

 自動車業界では今,第3次電気自動車ブームが起きつつあると言われています。ハイブリッド車の増産を目前に,自動車メーカーと電池メーカーが提携や新会社の設立を相次いで発表しています。米国のブッシュ大統領は年頭教書で2年続けてプラグイン・ハイブリッド車の開発推進を表明し,ホワイトハウス前で派手なパフォーマンスを行ったりしています。鍵となるのは電池技術,それもコスト低減が最大の課題と言われています。

 電気自動車の第1次ブームは米国で大気汚染防止の法律(マスキー法)が制定された1970年代初頭。自動車の排ガス規制があまりにも厳しく,ガソリン車では達成不可能とされ多くの電気自動車が試作されました。しかしこのブームは,触媒による排ガス処理技術が確立されて消滅しました。1990年代初頭の第2次ブームはカリフォルニア州が提案したZEV(zero emission vehicle)規制がきっかけです。Ni水素2次電池や開発途中のLiイオン2次電池などを使った高性能の電気自動車が試作されました。しかし不思議なことに,このZEV規制はいつのまにか中身がすっかり骨抜きになり,急速に電気自動車の開発熱は冷めます。私はまだ見ていませんが,この不自然な動きの背後関係を調べた「Who killed the Electric Car ?」というドキュメンタリー映画が米国で制作され話題になったことがあります。

 さて,今回の第3次ブームは,ちゃんと実を結んでくれるのでしょうか。ハイブリッド車は「環境に優しいエコ・カー」というイメージで人気ですが,まだまだ販売台数はわずかです。2006年の市場は全世界で38万台(トヨタが約80%),対前年比成長率24%でした。実は,トヨタがプリウスを初めて商品化して以来,8年間の平均成長率は46.7%でしたので,ちょっと成長にブレーキがかかってきたかのように見える,という指摘もあります。1)

 ハイブリッド車が環境に良いのは分かっていますが,我々ユーザーが実際に購入するかどうかは,何と言ってもガソリン価格次第です。ガソリン価格の高騰が続けばよいのですが,どこかで値下がりが始まると本質的にコスト高のハイブリッド車の売れ行きは下がります。そうなると数量が出ないため,課題の電池コストが下がりません。その結果,ハイブリッド車は相変わらず一部のエコ好きの人向けのクルマ,という位置づけにとどまってしまいます。トヨタ以外のメーカーがなかなかハイブリッド車の生産に本腰を入れない理由も,案外その辺にあるのでしょうか。

1)「市場展望:ハイブリッド車が鍵握る大出力Liイオン2次電池」,風間智英,pp.10-25,
『次世代電池2007/2008』(日経BP社,2007年6月30日)

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