もえる人々
Tech-On!のH編集長が,我が編集部のK編集長のところに来て聞いているのが聞こえてきました。
「『工場もえ』って知ってます?」
「何ですかそれ?」
ブログの原稿を書きながら側で聞いていた私は一瞬(どこかの工場が炎上したの?事故?)と思いました。が,すぐに思い当たりました。いつぞやテレビで紹介しているのを見たことがあったのです。そう,それは「工場萌え」*。
* というわけでブログのネタを急遽これに差し替えました。
既にご存じの方も多いと思いますが,工場を見るのが好きな方々のことです。話題の発端は,「工場萌えな日々」というブログのようです。先の会話を聞いて,早速検索してサイトを見に行って見ました。もちろん業務の一環です,これも。
萌える対象は主に製鉄所や化学プラントなどの工業地帯にあるような大型プラント。我々が取材に伺うことの多い組み立て系の工場とは少々異なるのですが,製造業には違いありません。個人的には激しく萌えはしませんが,何となく分かる気がします。機能だけを追求した巨大な建造物に,パイプなどがが縦横無尽に走り回っている無骨な姿に惹かれるのかもしれません。
そのサイト,写真がなかなかよい感じです。薄暮や夜のものが多いのですが,真性の萌えじゃなくても綺麗だなと思わせます。実は,私はかつて工場萌えの方々が垂涎の企業に勤務していました。写真を見ていくとその古巣のものも。きっとあの公園から望遠レンズで撮ったに違いない。いやあ,親近感が湧くなあ。
しかも,サイトを見ていると既に書籍やDVDまで出ているではありませんか。つい先頃,東京でイベントまで開催していたらしい(ちょっと参加してみたかった)。どうやら世の中には密かに工場萌えな方がたくさんいらっしゃるようです。ちょっと検索すると似たような嗜好のサイトがほかにもあります。この勢いで,プラントに限らず自動車や電機,町工場にも萌えてくれる方々が広がれば,ものづくりを応援する者として嬉しいんですが。誰かサイトつくりませんかね,町工場萌え。
■私も「参考にはならなかった」組です。しかし,これは面白くなかったと言うことではありません。
(2007/04/30)■確かに「参考にはならなかった」かもしれませんが「面白かった」です。
技術との直接的関係の有無に関わらず,何にでも興味を示すのは良いことだと思います。難しい問題に直面すればするほど,理論と同時にセンスが要求されると思いますので,こういった内容で今まで知らなかった世界を知ることが出来るのは有難いことです。
■こういう,“直接エンジニアリングと関係無いけど,ちょっと面白い話”が掲載されると,「参考にならなかった」票が多くなったり,“関係ない記事は個人のブログでやれ”とか“ものづくりの記事として相応しくない”などと言う方が多いように思います。真面目な方々なんでしょうね。悪いとは言いませんが。
モノを作る,ましてや、無から有を産み出すべき開発設計なら尚更,多くの雑多な事に触れ,人間的な深みを付けた方が,良い製品作りが出来るのではないでしょうか。
“美しさ”“楽しさ”を沢山知ったエンジニアが,それらにこだわって作るからこそ,魅力的な製品になるのだと思います。
仕事のネタなんて,どこに転がってるか判りません。「参考にならなかった」のでは無く,「参考にする気が無い」のでしょう?今すぐに使えるネタじゃないと,参考になった気がしないのでしょう?
谷崎潤一郎の小説の中にも,ダリの展覧会にも,ヴィトゲンシュタインの哲学書にも,エンジニアリングのヒントは隠されています。直接的な事ではなく,もっともっと微かな基礎的なヒントですが。一見無関係な知識を知る事を,恐れる必要はありません。もっと柔軟になりましょう。
一部の方(と信じたい)の意見を,編集部の方が真に受けて,カタイ記事ばかりになってしまうとつまらないので,擁護しておきます。
■エンジニアの人達は真面目な人が多いから,ふざけるな,と思うのかもしれないし,事実殆ど参考にならないのかもしれない。一方で目の敵にするのではなく,社会から好意的に受け止められると言う様は,大事にしてよいかと思います。
(2007/04/27)■コーヒーブレイク的な記事は個人的に好きです。やわらかい内容の記事で,ちょっと肩の力を抜いて…。記事評価の表現も”興味を持った”とか”おもしろかった”の方がいいかな?
(2007/04/27)■思い込みと趣味では技術には迫れません。表面だけ見ても技術には迫れません。ここでの「もえる」は外観に感動してるだけです。
外観を風景のように鑑賞して楽しむのは,アイドルの写真を撮っているのと何ら変わりません。風景写真を撮ってるだけです。それは趣味なので,感じない人には,全く分かりません。
私自身,瀬戸内工業地帯の旧海軍燃料廠を起源とする石油コンビナートを見て育ったのですが,工場の風景には個人的郷愁しか感じません。
■時々こういう類のネタが入るのも,このブログのよさと思います。
(2007/04/27)■…確かに「参考にならなかった」が多そうな内容かとも思います。しかし,こういう小ネタ情報(?)だとかある種のユーモアや微妙な示唆が含まれているかもしれない内容のものも,僕はおもしろく見させていただいてます。
(2007/04/27)■この手のブログを読んで思うのは, 記者の主観的な話が多く, それはエンジニアにとって余り役に立っていないと思う。なので評価欄で「参考にならなかった」にクリックする人が多い。同じ主観的な内容でも電機業界やある会社のことを述べるのはともかく, こういう抽象的なテーマやと…?とうなだれてしまう。
(2007/04/27)



































