環境の「攻め」と「守り」とは?
「最近になって,『環境ブランド』という言葉が流行っているんです」。大手電機メーカーのブランド推進部の責任者は,ブランド戦略に「環境」の視点を取り込む必要性が高まっていると訴えます。
氏は,環境ブランドの構築に必要な条件を幾つか挙げました。「経営者が意思をハッキリと表明すること」「宣伝広告に力を入れること」…などです。これだけでは技術者にとっては縁のない話かもしれません。しかし氏は,こう付け加えました。「自社の製品を通して消費者に革新的な体験をしてもらうこと」。つまり,環境性能(省エネなど)を高めながらも,製品の基本性能も高めてより便利にした製品を提供することで「便利なのに環境にいい」という印象を与えることが最も重要だといいます。
こうした好例が,トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」でしょう。低燃費などの環境性能と同時に,既存技術とは一線を画す革新技術(ハイブリッド技術)を採用したことで,消費者の革新的な体験につながり「環境=トヨタ」という構図が出来上がったといえます。
近年のエレクトロニクス業界においては,シャープの液晶テレビが同様の構図を実現できたという指摘が多々あります。複数の環境の専門家は「CRTテレビを置き換える革新技術である液晶を,『薄型テレビ』ではなく『環境テレビ』として大々的にアピールできていれば,今ごろシャープの液晶テレビは『プリウス』のような存在になっていたかもしれない」と口をそろえます。つまり,エレクトロニクス・メーカーが環境ブランドを構築するには,何より消費者に革新的な体験を提供する「技術」が必要なのです。
一方で,エレクトロニクス・メーカーにとっての「環境」といえば今,こうした「攻め」の話ばかりに気をとられている現状ではない,というのが現場の意見でしょう。欧州連合のRoHS指令に端を発した幾多の環境規制が待ち構えているからです。中国版RoHS,REACH,EuP,各国版RoHS…。これらは,いわば「守り」の環境対応といえるかもしれません。
エレクトロニクス技術者にとって避けて通れないテーマになった「環境」。日経エレクトロニクスでは,この環境に関する「攻め」と「守り」の最新動向を探るセミナーを2007年2月5日に開催します。ぜひ参考にしていただければと思います。


















