増減するRoHSの適用除外,未発売のSEDも…
エレクトロニクス業界が対応に苦慮してきたRoHS指令が2006年7月1日に施行され,早くも約5カ月が経過しました。しかし,「これで終わり」とはいきません。今後,指令の内容が二転三転することになるからです。
RoHS指令は,現時点ではまだ様子を見ながらの滑り出しであり,例えば,規制物質の含有量を測定する方法が決まっていないなど,注視し続けるべき項目が多々あります。中でも,「適用除外用途」の動向からは目を離すことができません。適用除外は代替技術がないケースについて規制の対象外となる用途のことで,高温はんだに含まれるPbなどがあります。
指令の施行当初,適用除外用途は20項目でした。それが,2006年10月に新たに9項目が追加され,29項目になりました。さらに,同年11月には,新たに23項目が適用除外用途の候補として公開されたのです。ただし,適用除外用途は増え続けるだけではありません。代替技術が確立した場合には,規制対象に切り替わる可能性があるからです。
その先行事例となりそうなのが,「RIGファラデー回転子に不純物として含まれるPb」に関する項目です。これは,2006年10月に適用除外用途として追加された9項目のうちの一つです。しかし,同年11月に公開された23項目の候補の中には,早くも「この項目を適用除外から削除する要求」という項目が含まれているのです。米Integrated Photonics,Inc.が提出した要求です。この要求に沿って,適用除外から規制対象に切り替わるかどうかはまだ結論が出ていませんが,適用除外用途の項目数は今後,目まぐるしく増減を繰り返していくことになりそうです。
目が離せないのは項目数の増減だけではありません。代替技術の開発動向もしかりです。もし,自社が業界に先駆けて代替技術を開発できれば,Integrated Photonics社のような削除要求を提出することもできるでしょう。逆に,競合他社が先にこうした手を打ってくるケースも考えられます。適用除外用途は,まさにメーカー間の競争を左右する議論といえるでしょう(2006年12月4日の特集記事に関連記事)。
ところで,前述の2006年10月に追加された適用除外用途の一つに,「SEDに含まれる酸化鉛」に関する項目があります(注:この項目はPDPも対象となっている)。この項目が正式に追加されたのが10月ですから,実際の議論はもっと前から始まっていたと考えられます。SEDの発売延期が発表されたのは2006年3月。これより前でしょう。2006年春の予定だった発売時期が延期となった現時点では,形だけの適用除外になってしまいました。いつになれば実際の運用が伴ってくるのか――。個人的には,その点にも興味津々です。


















