問題は理系離れではなく,電気系離れということ
問題は理系離れではなく
電気系離れということ
昨日のブログでは最新号(2006年7月17日号)の特集について,菊池編集委員が大学で進行する「理工離れ」「電気離れ」について触れましたが,本日はその内容をもう少し掘り下げたいと思います。
問題は大学の理系学部を志願する学生が減っているのではなく,工学部への志願者が減っているということです。文部科学省の調査によれば,1992年に比べて2004年の工学部の志願者数は60%に減っています。これに対して,医学・歯学・薬学部は50%増えています。つまり,理系離れではなく,工学部離れが進行しているのです。
とりわけ電気系学部の志願者の減少は深刻です。それは各大学で如実に表れています。東京大学では専門課程への進学振り分け時の学科別の基準点でかつては上位だった電子・情報関連が下から二つを占める状況になっています。一方,いわゆる関東6大学で「電気系学科の偏差値が50を切り始めた」(河合塾)など,電気系学部離れが加速しています。
しかも,大学や大学院卒業時には電気系出身の学生が専門知識を生かせるはずのメーカーへ就職せず,銀行や証券会社,コンサルティング会社などへ就職する事例が増えています。こうした状況は日本のメーカーへ悪影響を及ぼし始めています。大手企業はまだまだ優秀な学生を確保できるかもしれませんが,中堅企業では人材を確保できない状況が既に始まっているからです。
こうした状況はやがて大手企業もむしばみ始めるはずです。取引先の中堅企業が人材不足となれば,いつかはその企業の技術力の低下を招き,大手企業の事業競争力にも影響を及ぼしかねないからです。今後は中堅企業だけでなく,大手企業も技術者不足について真剣に取り組まざるを得ない状況になりつつあるのではないでしょうか。
ですが,少しだけ朗報もあります。本誌がニュース配信サービス「NEニュース」を通じて実施した技術者調査によると,「自分の子供にも技術者になるように勧めたい」との問いに対して「そう思わない」と回答した割合は53.5%と半数以上に上りますが,2004年に比べて約5ポイント減っています。わずか5ポイントですが,今後もこの状況が続いてくれればと願ってやみません。


















