2013年の秋から続いていたDRAM価格の高値安定が終わり、ここ数カ月下落傾向がはっきりしてきた。主力のパソコン向け2Gビット品の東京での大口需要家向け出荷価格は,2014年10月8日まで2.18ドル(平均)を保っていたが、以降は下落が続き、直近の2015年7月1日には1.79ドル(平均)まで下がった(図1)。最高値だった昨年夏の2.18ドルと比べ、約18%の下落である。4Gビット品についても、ほぼ同様の傾向である。

 Windowsパソコンの販売不振が原因である。昨年はWindowsXPのサポート終了に伴う買い替え需要があったとは言え、今年4月のパソコンの国内出荷台数は47万3000台と、前年同月より実に50.4%も減少したという(電子情報技術産業協会調べ)。今秋のWindows10発売によって持ち直すとは見られるが、爆発的な需要の回復はないだろう。

図1 DRAM 2Gビット DDR3型の価格推移
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 NAND型フラッシュメモリーの32Gビット品の価格は、昨年の春以降、安定してまったく値動きがない。同64Gビット品は2015年1月以降、10%ほど値を下げている。需要を引っ張ってきたスマーフォンは先進国での成長が止まりかけているものの、中国、インドなどで低価格製品が伸びており、需給関係は当分緩まないと見られている。また、パソコン用ハードディスクの一部を置き換えるSSDの需要が旺盛で、フラッシュメモリーの新市場に成長しつつある。

図2 フラッシュメモリー NAND型64Gビットの価格推移
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