2014年11月に開催した日経BP社主催セミナー「半導体ストレージサミット2014~エンタープライズ分野の主役に躍り出たフラッシュメモリー~」から、HGSTジャパンSSDソリューション営業部 シニア・ディレクターである五味 俊治氏の講演を、日経BP半導体リサーチがまとめた。今回から3回にわたって紹介する。(日経BP半導体リサーチ)

※ 本講演の内容は2014年11月時点の事実に基づいています。

 Server Based StorageあるいはSoftware-Defined Storageは、「Server SAN」「Flash Fabric」などと呼ばれている。このうちFlash Fabricは米HGST社が使用している名称で、いずれもサーバー側にすべてのストレージリソースを戻すという意味だ。

 IT業界の将来を予測するオープンコミュニティー「Wikibon」は、2014年のストレージアレイの世界全体での売上高を約360億米ドルと予想している。そして、SAN(strage area network)、NAS(network attached storage)、DAS(direct attached storage)といった従来のエンタープライズ向けストレージ市場は、2027年にはほとんどなくなってしまう。実際、こうした動きをにらんで動き始めているメーカーも既にある。

出典:HGSTジャパン講演資料(以下同)
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 私はストレージアレイのメーカーが無くなるのではなく、その提供形態が変わると見ている。その先行者は「Hyperscale Server SAN Storage」だ。米Google社や米Amazon.com社などが自身で部材を調達して開発しているもので、一般にはパブリッククラウドと呼ばれる。これに対して、「Enterprise Server SAN Storage」はプライベートクラウドとなる。以下、ストレージがどのような形態になっていくかを解説したい。