2014年11月に開催した日経BP社主催セミナー「半導体ストレージサミット2014~エンタープライズ分野の主役に躍り出たフラッシュメモリー~」から、東芝 セミコンダクター&ストレージ社 SSD技師長である百冨正樹氏の講演を、日経BP半導体リサーチがまとめた。第2回となる今回は東芝のストレージ開発ロードマップなどを紹介する。
               (日経BP半導体リサーチ)

 エンタープライズSSDのインターフェース別の市場は、SAS、SATA、PCIeという3つに分かれている。PCIeの割合は現在、10%以下だが、2018年には20%以上に増えていくとみられる。CAGR(Compound Average Growth Rate:年平均成長率)では65%程度の伸びとなる。もちろんSSD全体の台数を見ると、右肩上がりになっている。

 現在主流のSATAは台数としては増えていくものの、PCIeの伸びもあり、2018年には、割合としては30~40%まで落ち込むだろう。SASについては、ストレージへの依存性が強いアプリケーションに利用されていおり、比較的順調に伸びていく。CAGRは約26%だ。

 台数ベースの割合は現在、半分以上がSATAである。しかし、2018年にはSAS、SATA、PCIeが3分の1ずつに均等化されてくる。個別に見ると、PCIeが最も伸びてくる。それは、86系サーバーにPCIeが標準搭載され、新規出荷サーバーを中心に2016年以降、急激に普及するためだとみている。

 その中で、東芝のストレージ開発をどのように進めるか。ロードマップでは、3つのカテゴリーに分けて示している(図4)。

図4●東芝ストレージロードマップ ~SSD(Solid State Dreves)~
図4●東芝ストレージロードマップ ~SSD(Solid State Dreves)~
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 エンタープライズSSDについて、SASはPXシリーズ、SATAはHKシリーズ、PCIeはPX-Pシリーズとして展開しており、1年半ぐらいで1つの製品を作っていくことを考えている。フラッシュメモリーも作っているので、それに合わせてコントローラーを最適化し、性能を最大化していく。

 大容量・高密度のDense SSDは、2015年末~2017年から展開予定だ。そして、性能はほどほどだが比較的低コストなクライアントSSDとしては、パソコンなどに向けた高速・低消費電力なSATAベースのHG6、SGシリーズを開発しているほか、PCIeではXGシリーズを用意する。

 これを図3(前回参照)のエンタープライズ向けSSDの市場区分に当てはめると、米Violin Memory社の製品に対抗するような超高速分野の製品はまだだが、SASはPXシリーズ、エントリーモデルはHKシリーズを、SATAはSGシリーズ、PCIeはXGシリーズと、スケールアップ型システムとスケールアウト型システムの両方に対応すべく、SSDを開発していることが見て取れるだろう。