2014年3月に開催した日経BP社主催セミナー「世界半導体サミット@東京 ~IoT時代の半導体成長戦略~」から、米Altera社 Senior Director, SoC Product Marketing Chris Balough 氏の講演を日経BP半導体リサーチがまとめた。3回連載の第1回では、FPGAは大きな進化を続けており、通信インフラに適することを示した(第1回へのリンク)。今回は、通信インフラにおけるFPGAの活用状況を紹介するとともに、IoTにおける通信インフラの重要性などを示す。(日経BP半導体リサーチ)
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IoT時代において我々は、連載第1回で紹介したビジネスモデルを推進し、14nm世代のプロセス技術を適用する製品に力を入れていくつもりだ。70億~80億個ものトランジスタを最新鋭の製品「Stratix 10 SoC」で実現したいと考えている。この製品は、モノリシックでトランジスタを集積した半導体製品としては世界最大のものになるだろう。
Stratix 10 SoCは、クワッドコアの64ビットプロセッサーである「Cortex-A53」を搭載し、10TFLOPSのDSPというパフォーマンスを一つのチップで実現している(図1)。さらに、FPGAとして初めて動作周波数1GHzを超えようとしているほか、ソフトウエアツールも充実させている。
こうした製品をはじめ、継続して先進的なプロセス技術を活用することに投資していく。さらに適合性、柔軟性、製品開発時間において、製品の魅力度を高めていきたい。
こうすることで、通信インフラの隅々にまでFPGAが入り込むことを可能にしている。今やFPGAは、通信インフラの中心部だけでなくあらゆる範囲で使用されている(図2)。例えばデータプレーンのプロセッシングや、アグリゲーション、コントロールプレーンのプロセッシングなどだ。
今後、通信インフラにおけるFPGAの市場として期待しているのが、通信インフラの端末である。端末は市場規模が今後大きく拡大するとみられており、我々はより先進的なプロセス技術に必要に応じて投資して対応する考えだ。