2014年3月に開催した日経BP社主催セミナー「世界半導体サミット@東京 ~IoT時代の半導体成長戦略~」から、米Altera社 Senior Director, SoC Product Marketing Chris Balough 氏の講演を日経BP半導体リサーチがまとめた。IoTにおいてFPGAがなぜ重要になるのかを3回連載で紹介する。第1回では、FPGAは大きな進化を続けており、通信インフラに適することを示す。(日経BP半導体リサーチ)

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 米Altera社のFPGA技術は、IoT(internet of things)世界の進展に貢献する。本稿では、我々のビジネスモデルの背景とFPGA技術の進化、特に通信インフラの中でFPGAの活用がどのように進んできたかを説明し、IoTにおいてFPGA技術がいかに重要であるかを3回連載で示していく。

重要度を増すFPGA


 FPGAが通信インフラの中で極めて重要になってきている。ここで鍵を握るのが“投資”である。我々のビジネスモデルでは最先端の半導体プロセス技術への対応に投資できるために、通信のインフラの中にFPGAはより多く入ってきている。

 例えば、Altera社の場合、売り上げの約半分を通信分野向けが占める。そこではFPGAに最先端のプロセス技術そのものを適用させているだけでなく、柔軟性という価値も採り入れている。この柔軟性によって適応性も生まれ、さらに製品開発時間(time-to-market)もより短くできるようになっている。通信分野においてはもちろん、企業の競争優位性においても、これら適応性と製品開発時間は非常に重要な要素だ。

 私のFPGAにおけるキャリアを振り返ってみると、これまでにいろいろなファンクションがプログラムロジックのアレイの中に入ってきた。例えば、メモリーやシグナル・プロセッシング・ブロック、先端のアナログといった具合だ。それに加えて最近は、プロセッサー技術の動向もFPGAのファンクションとして重要度が増してきた。もちろん、我々の専門分野であるSoCやFPGAについても、進化が続いている。それにより適応性が上がり、通信分野での採用拡大を後押ししている。

 FPGA技術に必要なことは何か。それは多くのトランジスタを格納しているかどうかだ。大量のトランジスタを実装し、そこに必要なプログラムを組んでいくのである。FPGA技術は、インフラ向けアプリケーションに適しているといえる。ボリュームの大きい機器、例えば10億個に上るIoTデバイスにおける半導体を考えると、専用のロジックLSIが適しているかもしれないが、通信インフラに用いる機器ではFPGAが最も適しているだろう。

 そしてAltera社は、プロセッサー技術とSoC、FPGAを組み合わせることでインフラに貢献し、これがIoTの成長にもつながると考えている。