今夏東京ビッグサイトで開かれた「PV Japan 2015」で展示した「スマートストレージ」(出所:日経BP)
今夏東京ビッグサイトで開かれた「PV Japan 2015」で展示した「スマートストレージ」(出所:日経BP)
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 シャープは、米国で事業所向けの蓄電池システムを本格展開する。ビルなどの商業施設向けに、電力需要のピーク削減とBCP(事業継続計画)に対応した蓄電池システム「スマートストレージ」を設置・販売する。太陽光発電システムも併設して連携制御する。

 米国では、一定期間内の最大電力需要(受電量)に応じて課金されるデマンド料金制度など、電力需要のピークカットに対する経済的なインセンティブが大きい。Liイオン蓄電池を採用した「スマートストレージ」は、過去の電力利用データなどから需要の変動を予測し、電力需要の上昇に合わせて、蓄電池から放電することでピークを下げる。

 ビルの屋根上などに太陽光発電システムを設置した場合、1つのパワーコンディショナー(PCS)で、太陽光パネルと蓄電池の直流電流をまとめて交流に変換し、ビルの電力需要を予測しながら、電力供給量を最適制御し、電力会社からの受電量を平準化する。

 また、災害時に系統電力が停電した場合、PCSを自立運転して、太陽光発電と蓄電池システムからの給電で、最低限の電力需要を賄う。

 「スマートストレージ」は、すでにカリフォルニア州で3案件の設置実績があるほか、アリゾナ州でも太陽光を併設したシステムが稼働した。同州の導入例では、6階建ての商用ビルの屋根上に出力63kWのシャープ製太陽光パネルを設置し、容量81kWh(40.5kWh×2台)のLiイオン蓄電池を導入した。