大場重生氏 日経エレクトロニクスが撮影。
大場重生氏 日経エレクトロニクスが撮影。
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 スマートフォン向けのイメージセンサーの市場は10億個規模、でもその先に100億、1000億個の市場がある。こう語るのは、ソニー デバイスソリューション事業本部 イメージングシステム事業部 IS事業戦略部 統括部長の大場重生氏だ。

 同氏は2015年8月20日にSEMIジャパンが催した「SEMI Members Day 東京」で、「「Imagingの深化」と「Sensingへの進化」で新たな感動・価値を撮る~IoT・IoEの世界におけるイメージセンサの可能性」というタイトルで講演した。講演はCCDイメージセンサーの話から始まった。CCDイメージセンサーの開発に着手した際の目標は「フィルムを超える」だった。時代はCCDイメージセンサーからCMOSイメージセンサーへと移った。CMOSイメージセンサーの開発当初の目標は「人の目を超える」だった。

 現在、CMOSイメージセンサーの技術開発が進み、その目標はほぼ達成された。同氏は、5つの観点で人の目とイメージセンサーを比較した。第1の観点は速度。人間の目は240コマ/秒と言われているが、センサーはすでに1000コマ/秒を達成している。第2の観点は感度。ソニーのミラーレス一眼レフカメラ「α7s」に搭載したセンサーでは、ISO 409600という感度で撮影ができる。ほぼ真っ暗闇でも撮れるという例を同氏は示した。

 第3はダイナミックレンジ(明暗差)。現在市販されているカメラのセンサーのダイナミックレンジはすでに128dB。140dBになれば、明暗差は関係なくなり、すべてが見えるようになるという。また同氏はイメージセンサーは可視光領域だけでなく、赤外光領域もカバーできることを見せた。特に近赤外領域が有用だとした。第4は視野(画角)、第5距離で、いずれも人間の目を超えている。

■変更履歴
SEMIジャパンから申し入れがあり、講演者の所属部署名を一部修正しました。「イメージセンサ事業部」ではなく、「イメージングシステム事業部」とのことです。本文は修正済みです。