環境省は、国立・国定公園内に大規模な太陽光発電を設置する場合の審査基準などを追加した。自然公園法の施行規則を一部改正し、6月に施行した。都道府県立自然公園でも同様の内容に合わせ、自治体が改正を進めている。
国立・国定公園内は、特に優れた自然景観、原始状態を保持している「特別地域」と、それ以外の「普通地域」に分かれており、大規模な太陽光施設を設置する場合、特別地域では審査基準を追加し、普通地域では届け出を要することになった。普通地域の届け出については、「8月に着手する行為」から適用される。
都道府県立自然公園を管理する各自治体でも、同様の内容に合わせるために条例の施行規則の一部改正を進めており、今夏、多くの自治体が改正内容に関する意見を募集している。
自然公園法施行規則の一部改正によって、審査基準に「当該太陽光発電施設の色彩及び形態がその周辺の風致又は景観と著しく不調和でないこと」が追加された。
加えて、特別地域の中でも、特に優れた景観を持つ「特別保護地区」などに関しては、原則的に設置できないとしつつ、「同一敷地内の当該太陽光発電設備の地上部分の水平投影面積の和が2000m2以下」で、かつ公益上必要な場合などの例外規定を設けた。また、設置方法に関しては、「土地の勾配が30%を超えないこと」などを規定しつつ、「地域住民の日常生活の維持に必要」「農林業に付随して行われる」などの例外規定を設けている。
また、普通地域内については、「太陽光発電施設のうち、同一敷地内の地上部分の水平投影面積の和が 1000m2を超えるもの」に関しては、届け出の必要な工作物となった。
規定された「太陽光発電設備の地上部分の水平投影面積の和」から換算すると、メガワット(MW)を超える大規模な太陽光発電設備に関しては、特に優れた景観を持つ「特別保護地区」などには設置できず、普通地域では届け出が必要になった。
今回の改正は、環境省が2月19日に公表した「国立・国定公園内における大規模太陽光発電施設設置のあり方に関する基本的考え方」を踏まえたもの(関連記事)。